可能な限り長く働き、今からできることで少しずつ年金作りを!

まず、1ヶ月でも長く働くこと。働いた分の厚生年金が増えます。また、働いた期間分、年金の受け取り時期を繰り下げることもできるでしょう。

ただし、この場合、在職老齢年金の制度により老齢厚生年金は調整(支給停止)されることがあります。年金を受け取らず繰り下げても、支給停止となった年金は増額の対象にならないことに注意して下さい。

受給開始を1ヶ月繰り下げると0.7%増額、70歳まで繰り下げると42%の増額ができます。令和4年4月より繰下げ受給の上限年齢が75歳に引き上げられますが、75歳まで繰り下げると84%の増額ができます。令和3年度の基礎年金額は月額6万5075円ですが、1.84倍で11万9738円になります。特に貯蓄に回さなくても、働く期間を延ばすだけで年金額が増額します。

余裕資金は運用利益非課税の制度を利用して、資産作りをします。60歳になっている上野さんは、現行、掛金全額所得控除の個人型確定拠出年金(iDeCo)には加入できませんが、令和4年5月から加入可能年齢が引き上げられ、65歳未満の国民年金被保険者(第2号被保険者や任意加入者)であれば加入が可能になります。

さらに、上野さんは会社経営者です。iDeCoに加入可能なら、iDeCo+(中小事業主掛金納付制度)を利用して、個人の掛金に会社からの事業主掛金を上乗せするのも一考です。会社のお金を非課税で個人の年金専用口座に移せます。事業主掛金は給与とされないので、社会保険料も所得税も掛かりません。個人掛金と事業主掛金合わせて最大2万3000円ですが、会社の負担は事業主掛金分のみです。

掛金最大5万5000円の企業型DCなら、現行でも加入可能(65歳未満で規約で定められた年齢)、令和4年5月よりさらに上限年齢が70歳未満に引き上げられ、制度を長く利用できます。ただし、制度導入や口座管理に係る費用負担が大きく、会社の資金に余裕がある場合でないと難しいかもしれません。

企業型も個人型も75歳まで非課税で運用できるので、タイミングを図りつつ資金を引き出せます。様々な制度を利用すれば、今より安心できる状態に変えられるのではないでしょうか。

焦って金融機関のおすすめに乗らず、つみたてNISA、iDeCo+など国の制度を利用して資金を作りましょう。

まとめ
●今後、お金を育てることを考えるなら、現状の毎月配当型投資信託は見直しを
●運用するための枠をNISAから、つみたてNISAに変えるのも◎
●iDeCoやiDeCo+など、今からでも入れる制度で“自分年金”を