――2022年の世界経済とマーケットとを振り返っていただけますか。
2つの大きな動きがありました。1つは資源高で、もう1つは2021年から22年にかけてのインフレです。資源高は物価上昇の大きな要因ですが、コロナ禍で抑圧されていた需要がポストコロナで一気に噴出したことも、インフレの要因として考えられます。単年度では生じないはずの需要が生まれたものの、供給能力は元の状態に戻っていなかったため、需要が供給を上回ったわけです。
また、物価上昇で労働者側は賃上げを要求しやすくなり、実際に賃金が上昇したことも、インフレの原因の1つだと思います。そうしたインフレに対応するため、米国をはじめ世界各国が金融引き締めに転換していきました。