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RBC ブルーベイ・アセット・マネジメント マーク・ダウディング 氏インタビュー
黒田日銀の金融政策は十分成果を上げたが 異次元緩和継続はもはや経済状況に適合せず(前編)

注目高まる日本の金融政策と経済の行方

2023.06.28
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RBC ブルーベイ・アセット・マネジメント マーク・ダウディング 氏インタビュー<br />黒田日銀の金融政策は十分成果を上げたが 異次元緩和継続はもはや経済状況に適合せず(前編)

インフレの鎮静化に躍起になる中銀の動向と経済指標の発表に一喜一憂する展開が続き、それに加えて、3月以降米国、欧州の金融機関が破綻や経営危機に陥るなど、2023年も市場には不透明感が拭えない。こうした世界経済の動向は、国内金融政策の舵取りをいっそう困難にしているだろう。日本にもインフレ圧力がかかり、金融緩和策の副作用にも懸念が高まっているが、海外で景気後退局面が迫る中で金融緩和を継続するか修正するのか、日銀新総裁がどう動くのかに世界からも関心が寄せられている。そこでこのシリーズでは、経済・為替、金利、アセットマネジメントそれぞれの分野で著名な専門家が考える、今後の見通しや注目ポイントを紹介していく。
第3回はRBC ブルーベイ・アセット・マネジメントで最高投資責任者(CIO)のマーク・ダウディング氏に話を聞いた(取材日:2023年4月25日)。

――最初に、これまでの世界経済とマーケットの動きを振り返っていただけますか。

コロナ禍によって世界経済の状況は一変しました。欧米を中心としたロックダウンと財政拡大政策は、経済活動の再開時にサプライチェーンの混乱と強いペントアップ需要をもたらし、財とサービスの需給バランスが大きく崩れました。さらにウクライナ危機によって、エネルギーをはじめ商品価格が跳ね上がりました。この間、FRBもECBも物価上昇の持続性を読み誤り、インフレ率の上昇を一時的なものと捉えて金融引き締め策に転じるタイミングを逃しました。

その遅れを取り戻すために、米国では過去40年間で最も急激な金融引き締めを実施せざるを得なくなり、インフレ高進への警戒感に乏しかった投資家に大きなショックを与えることになりました。低金利が続く中で運用リスクを高めていった投資家にも、中央銀行にも慢心があったのだと思います。特に債券投資家にとっては、2022年は大幅に金利が上昇し、スプレッドも拡大する極めて厳しい1年となりました。

――最初に、これまでの世界経済とマーケットの動きを振り返っていただけますか。

コロナ禍によって世界経済の状況は一変しました。欧米を中心としたロックダウンと財政拡大政策は、経済活動の再開時にサプライチェーンの混乱と強いペントアップ需要をもたらし、財とサービスの需給バランスが大きく崩れました。さらにウクライナ危機によって、エネルギーをはじめ商品価格が跳ね上がりました。この間、FRBもECBも物価上昇の持続性を読み誤り、インフレ率の上昇を一時的なものと捉えて金融引き締め策に転じるタイミングを逃しました。

その遅れを取り戻すために、米国では過去40年間で最も急激な金融引き締めを実施せざるを得なくなり、インフレ高進への警戒感に乏しかった投資家に大きなショックを与えることになりました。低金利が続く中で運用リスクを高めていった投資家にも、中央銀行にも慢心があったのだと思います。特に債券投資家にとっては、2022年は大幅に金利が上昇し、スプレッドも拡大する極めて厳しい1年となりました。

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