著者からのメッセージ「投資に二の足を踏んでいる人へ」
神様が説明していた通り、世界的に見て日本人の保有金融資産に占める預貯金の割合は高い傾向にある。裏を返せば、それだけ投資に対して消極的ということだ。
『資金循環の日米欧比較』(日本銀行調査統計局/2020年8月21日公表)によると、家計の金融資産の合計額における預貯金の割合は、日本が54.2%。一方の米国は13.7%だ。投資信託や株式の合計になるとこの関係は逆転する。日本では2つの合計が13.0%であるのに対し、米国は44.8%と、3倍以上が投資に回されている。
日本人の投資意識が低い要因としては、金融教育の不足があげられる。かつては、安定した給与収入と退職金といった福利厚生に守られ、何もしなくとも“ある程度の安心”が保証されていた。
しかし、現代でも同じというわけにはいかない。
年金受給開始時期の繰り下げや終身雇用制度の崩壊など、従来私たちの“安心な人生”を守ってくれていた制度は終わりを迎えつつある。そのようななか、何もしないことこそリスクと言えるだろう。貯蓄だけでは資産は目減りする一方だ。だからこそ今、自分の人生をしっかり見据え、将来のための準備を始める必要がある。その手段の一つが投資だ。
神様の言う通り、難しいことは考えなくても良い。とりあえず始めてみること――それが大きな一歩となる。投資額も家計のやりくりから出せる範囲で十分だ。少額の投資でも、時間を味方にすれば複利効果で次第に大きな力になっていくはずだ。
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