投資って何からすればいいの?

横山さん:何をすればいいのか、ということについては先に結論から言うと、「手数料の安い投資信託をネット証券で毎月積立で買う」。これだけでいい。

高橋さん:え、それだけ? ほかは? 儲かるためのテクニックとか極意とか。

横山さん:いや、高度なことは初めの一歩から考えなくていい。むしろ考えないほうがいい。

高橋さん:……と言うと?

横山さん:投資初心者は値動きが気になりがちなんだ。でも、目先の値動きに一喜一憂しちゃダメ。真逆で、時間を味方にして長く運用することを心がけるのがいいんだ。

高橋さん:どうして時間を味方にするほうがいいんですか?

横山さん:理由の1つは「複利の力が働く」から。あ、単利や複利ってわかるかな。

高橋さん:ばかにしてるんですか。単利でしょう、タンリ……。

横山さん:単利は「元金+利息」。複利は「元金+利息全体にさらに利息がかかる」。複利では元本が毎年増えていくので、雪だるま式にお金は増えていくんだ。

高橋さん:あ、ちょっと何言っているかわかりません。

横山さん:単利は当初の元本部分だけに利息がつくけど、複利は利息を元本に組み入れるので、時間をかければかけるほど資産を増やしやすいんだ。運用期間(投資をする期間)は長いほどこの複利効果が働きやすいので、基本的には時間をかけたほうが有利。

例えば100万円を10年間毎年5%の利回りで運用する場合、10年後の資産は単利だと150万円、一方、複利は約163万円。実に約13万円もの差が出るんだ。

高橋さん:けっこうな差ですね。

横山さん:さらにこれが30年の運用期間だと、単利は250万円に対して複利は約432万円。差額はもっと開いて182万円となる。

高橋さん:最初は同じ100万円なのに、そんなに差が……。じゃあ、運用は早く始めたほうがいいんですね。

横山さん:そういうこと。

高橋さん:複利ってすごい発明ですね。神様が考えたわけじゃないと思うけど。

横山さん:まあ、俺が考えたわけじゃないけどさ……。でも、教えた俺にも感謝してよ。

高橋さん:あ、神様もすごいですよ。

横山さん:うん。ありがと。