コロナ禍で開催が1年延期された「東京オリンピック2020」が、1都3県の会場では無観客であるものの、今夏は開催されることになり、世界的に注目度が上がっている。
開催月となる7月には、偶然にも「東京の日」がある。7月17日だ。1868年(慶応4年)の旧暦7月17日(新暦の9月3日)に、明治天皇の詔勅(しょうちょく)により「江戸」が「東京」に改称されたことによる。
日本一〇〇を多数擁し、 世界も認める魅力を放つ東京
日本の首都である東京は、関東大震災や第二次世界大戦の敗戦による廃墟の中からも見事に復興し、政治、経済、文化の中心都市として、また最先端のテクノロジー・文化などで刺激に富んだ地域となっている。同時に、江戸時代の歴史や文化の香りも残されるなど、多彩な魅力を秘めている。
世界的な位置づけも高い。2008年から発表されている、森記念財団・都市戦略研究所による、「世界の都市総合ランキング(Global Power City Index: GPCI )」は、経済、文化・交流、居住など16の指標で評価されているが、その2020年版で、東京は総合ランキングでロンドン、ニューヨークに続いての第3位だ。
また、高所得者層を読書層とする、アメリカの大手旅行雑誌『コンデナスト・トラベラー』が毎年実施している、世界で最も魅力的な大都市ランキングでは、2000年には、京都に首位を譲るなど順位を落としたものの、2019年まで東京は4年連続で第1位を獲得している。
近県を含む東京圏の人口の全人口に占める比率は、2015年の国連推計で29%であり、ニューヨーク(6%)、ロンドン(13%)上海(2%)など、各国の主要都市と比較しても際立っている。当然のことながら人の移動も尋常でない。ちなみに、世界で最も利用客の多い駅は、新宿駅だ。
国内での東京への集中度を示す事例には事欠かない。ちなみに、まず、人口10万人当たりの億万長者(単年の申告所得が1億円以上)の人数は、2019年は東京が66.18人とトップである。さらに最も高い建造物は東京スカイツリー、初詣が一番多いのは明治神宮、日本一客室数が多いのは品川プリンスホテル、日本一深い場所に駅があるのは都営六本木駅と、枚挙にいとまがない。
アニメが登場する舞台を訪問する、いわゆるアニメの聖地巡礼でも、2021年4月時点で東京都は1810カ所となっており、全国の34%を占め全国一だ。
一方、輝かしい側面ばかりではない。1人の女性が生涯に産む子供の数を示す、合計特殊出生率は2020年が、東京では1.13と全国で最低となっており、少子化を象徴する地域となっている。1世帯当たりの人数は、1.95人と全国で初の2人割れだ。持ち家比率も2020年には45%と、沖縄県の44.4%に次ぐ低さだ。