「分配金」ニーズの高まりで1兆円ファンドが続々登場

日本初の「1兆円ファンド」は、ITバブル真っ只中の2000年2月に設定され、当初募集の段階で1兆円規模の資金を集めて話題となった「ノムラ日本株戦略ファンド」である。運用開始のタイミングが株式市場のピークと重なった当ファンドは、2003年までに基準価額が約60%下落するという、悪い意味で後世に語り継がれるファンドとなってしまった。

2000年代半ばにかけては、先進国債券や高利回りの公益株を投資対象とする定期分配型が一世を風靡した。預金金利がゼロ%台に沈む中、比較的リスクを抑えながら毎月40~60円(1万口当たり。以下同)程度の分配金を受け取れるという商品性は、年金受給層を中心に広く受け入れられ、2006年までに5本の「1兆円ファンド」が誕生した。

なお、当時は相対的に高い金利水準を背景に、豪ドルやニュージーランド・ドルといった高金利通貨の外貨預金のほか、外貨建て個人年金保険も人気を集めていた。こちらは今でいうところの資産形成層、つまり、現役世代にも老後資産形成の一環として提案されるケースが多かった。つみたてNISAが始まる10年前、投信積立ですらまだ一般的ではなかった時代の話である。