投資家の利便性の向上を図ってきた東証

その後も東証はETF市場の活性化を目指し、業界一体となって商品ラインアップの拡充に努めてきた結果、現在では「国内株」「外国株」「国内債券」「外国債券」「REIT」「商品」等、幅広いラインアップがそろいました。最近では「ESG」「イノベーション」等をテーマにした新しいタイプのETFも拡充するなど、多様なニーズに対応しています。

また、制度面においても、投資家の利便性向上の観点からETFの流動性の改善を図る目的で2018年にETFの「マーケットメイク制度 」を導入。さらに本年2月には機関投資家向けのRFQ(Request for Quote:価格提示依頼)のプラットフォーム「CONNEQTOR 」を導入するなど、全ての投資家にとって利用しやすい商品となるよう改善に努めています。

こうした取り組みの結果、日本のETF市場は2020年7月末時点の受益者数が過去最高の94万人(※)、2020年12月末時点の純資産残高は約54.7兆円、直近2021年3月18日時点の東証上場銘柄数は237銘柄(これとは別にETNが27銘柄上場)にまで成長しました。しかし純資産残高ベースで見ると日本銀行の保有分が圧倒的であり、これを除いても機関投資家の保有額が大きいのが目立ちます。これが意味するところは、機関投資家はコストが低く、透明性があり、市場で機動的に売買できるETFの特性・メリットを熟知しているからこそ、広く利用しているとも言えそうです。