日経平均PER、EPSには業績予想未定の企業も含まれる
前述の通り、日経平均のEPSは同PERを算出するのにも用いられる。日経平均EPSから算出した2021年3月1日時点の日経平均PERは22.19。日経平均のPERはここ10年、14〜16倍で推移していたことから例年よりは割高であると考えられる。
一方、NYダウのPERは32.09倍となっており、NYダウよりは割安だと捉えることもできるだろう。
ちなみに個別銘柄の場合、EPSを時系列で追っていくと、その企業が適切に増資できているかを判断できると考えられている。例えば企業が新規参入や事業拡大を行う際、新株を発行して資本金を増加させたとする。株式発行数が増えるため一時的にはEPSは下がるが、今後利益を上げることができれば回復する。このことから、継続的にEPSを維持、もしくは上昇させている企業は成長性が高く、健全な増資を行えていると判断することもある。
株価の変動や企業の業績予測にはいろいろな要因が絡む。とくに日経平均株価については割安、割高といった情報が飛び交い、困惑することも多いだろう。日経平均のEPS、PERについて正しく理解しておけば、現状に惑わされることも少なくなるだろう。