個人投資家も真似できる!? GPIFが掲げる運用方針
では、GPIFはどのような運用方針を掲げているのか。まず積立金の運用目標については「長期的に積立金の実質的な運用利回り1.7%を確保するよう、基本ポートフォリオ(保有する各資産の比率)を定め、これに基づき管理を行うこと 」としている。そして、この目標を実現するために「国内債券」「国内株式」「外国債券」「外国株式」の4資産に分散投資を行っている。
個別の資産配分を見ていくと、2013年6月〜2014年10月は「国内債券:60%」「国内株式:12%」「外国債券:11%」「外国株式:12%」「その他(短期資産):5%」という比率だった。つまり投資先の半分以上を一般的に安全資産と呼ばれる国内債券が占めていた。
2014年11月以降からは、「国内債券:35%」「国内株式:25%」「外国債券:15%」「外国株式:25%」と、国内債券の比率が減り、国内外を合わせた株式の割合が50%を占めるようになった。これまでよりもリスクを取りながら増やしていく資産配分へと変更されたわけだ。
さらに2020年4月1日、GPIFが目標とする資産配分は約6年ぶりに改定された。国内債券の比率を25%に下げる一方で、外国債券の比率を25%に引き上げ。つまり4資産に25%ずつ、均等な比率で分散投資を行うことになった。
海外資産の構成比率はこれまでの4割から5割に高まる。日本国債の投資収益が低迷する中、利回りの高い海外の資産比率を高める狙いがあったという。
GPIFの運用方針を見ていくと分かるとおり、4資産への分散投資は関連するインデックス型の投資信託などをそれぞれ購入すれば、個人でも実践できる。その際、「変動した資産の比率を元の25%に戻すのが面倒」と考えるなら、例えば「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」「eMAXIS バランス(4資産均等型)」など4資産に均等に投資するバランスファンドの購入も視野に入ってくるだろう。あるいは「iFree年金バランス」など、GPIFのポートフォリオに連動した成果を目指す投資信託もある。