投資商品を運用する「器」は、つみたてNISAがおすすめ

次に投資商品を運用する「器」について考えてみます。運用益に対して非課税で、かつ資金の引き出しがいつでもできる点からしても、教育費を貯めるならつみたてNISAが向いているでしょう。

つみたてNISAなら、積み立て式で投資信託を買い付けることにより「時間の分散」を図ることができる上に、最大20年間まで器を利用できるという点で、「長期投資」も実現できます。ちなみに、リスクを下げるための1つの方法として、投資は短期ではなく長期で行うことが有効だと言われています。

教育費を投資で貯める際は、つみたてNISAという税制優遇のあるお得な「器」の中で、リスクを抑えながら長期的な視点でお金を成長させることがポイントです。さらに言えば、教育費として使わなかった分は、老後資金として使うことも可能なのが、長期の資産形成を目的とするつみたてNISAの嬉しい点です。

ジュニアNISAは2023年の投資枠でもって終了

一方、NISA制度のひとつに「ジュニアNISA」もあります。ジュニアNISAは、親や祖父母が運用管理者となって、子ども名義の口座の中で投資をする仕組みです。ジュニアNISAも運用益に対する税金がかからない制度ではありますが、気を付けるべき点があります。まずジュニアNISAは2023年の投資枠をもって、終了する予定となっている点です。つまり、ジュニアNISAでは長期投資ができないということです。なお、ジュニアNISAの制度が終わっても、その時点で投資済みの商品は一定の範囲内で20歳まで非課税で保有ができるようになっています。

次に注意すべきが、子どもが18歳まで(厳密には3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までの間)は、原則払出しができないことです。たとえば早めに入学金の支払いが生じた場合には、ジュニアNISA口座で貯めたお金が使えないということもあるのです。ただし、災害等やむを得ない事情があれば、例外的に非課税での払い出しができます。

このようなことから、現行法では20年間運用ができて、かつ、いつでも引き出せるつみたてNISAの方が、教育費の備えでは向いていると言えます。