まずは元本割れのない商品で、自動的に貯蓄ができる仕組み作りから!

「教育資金を貯める適切な方法を知りたい」という星野さん。まず覚えていただきたいのは、「教育費は将来、必ず出ていくお金」であるという特性上、大部分は元本割れのない商品で貯めていくことです。それを理解した上で、教育資金を貯める場合は、銀行の定期預金や勤務先を通して加入できる財形貯蓄制度、学資保険といった元本割れのない(少ない)商品で貯めていきましょう。

星野さんは既に学資保険に入られているようですね。学資保険の一番のメリットは、口座振替で強制的に学費を貯めることができるという点です。一般的に学資保険は、返戻率が100%を上回る商品に加入することが基本ですが、その点がクリアできているようでしたら、このまま続けると良いと思います。なお、返戻率は、受け取る保険金の総額(満期保険金+祝金)を支払った保険料の総額で割って出た数字に100を掛けて出すことができます。

返戻率が100%を上回れば、支払う保険料より受け取る保険金の額の方が多いことを意味し、100%を下回る場合は、支払う保険料より受け取る保険金の額が少ないことになります。

一方、星野さんは毎月「残ったお金を貯金」しているとのことですが、その方法だと安定的に貯めることができなくなってしまいます。今後はぜひ強制的に貯められる仕組みを作りましょう。給与天引きができる財形貯蓄や、銀行の積立定期預金などがぴったりです。

投資で教育資金を貯める際のポイントは?

銀行の定期預金や財形貯蓄制度は元本割れの心配がない一方で、昨今の低金利時代においては、増やすことがほぼ期待できません。その点を踏まえると、「投資で教育資金を貯めてみたい」という星野さんのお考えに筆者自身は大賛成です。ただし、投資は元本保証がないため、始める際はその点をしっかり理解してからにしましょう。また、投資は価格変動が必ず生じるため、投資で教育資金を準備する額は、教育費全体のうち2割くらい、多くても4割程度に抑えておくことをおすすめします。

さて、どんな投資商品で貯めたらよいのでしょうか。リスクを分散できるという観点からすると、おすすめなのは投資信託です。投資信託は、投資家から集めたお金を、運用の専門家が株や債券など複数の商品に分散投資をしてくれる商品です。個別株での投資に比べると、リスクを低く抑えられるメリットがあります。

投資信託で運用する際に重要なのが、商品選びと、どの「器(うつわ)」を使って運用するかという2つのポイントが重要になってきます。商品選びについては、投資初心者でしたら、次の3つの基準を満たしている商品を目安に選んでみてください。

①インデックス型のファンド……インデックス型はアクティブ型より値動きの幅が緩やかなため
②販売手数料がゼロ……手数料はできるだけ低く抑えたいため
③信託報酬は0.1%台が理想的。高くても0.2%台……商品を保有している間に自動的に引かれるコストは低く抑えること。リターンを大きくするために重要

上記のほかにも、過去の実績を見比べて、リターンが高くかつ純資産残高が順調に伸びている商品を選ぶと良いと思います。