あなたに当てはまるパターンはある? ケーススタディで学ぶ、“脳のクセ”とは
ここからは、具体的に多くの人が陥りがちな無駄遣いの4つの例を取り上げ、脳のクセとは?とその場でできる無駄遣い回避策を解説。さらに各ケースが思い当たった場合、あなたはどの脳番地を意識的に鍛えるのがおすすめかも併せて示します。
あるある無駄遣い1:お得な売り文句に惹かれ、つい購入
「今なら50%オフ」「ポイント10倍」etc.魅力的な文句が売り場にあふれています。半額だからついでにあれも、ポイントを貯めたいからこれも買っておこう。でも結局その時買ったものはもう何カ月もどこかにしまったまま……こんな経験に心当たりはありませんか?
「人は自分が『得をした』と思えると、興奮状態になります。脳はこの快感を求めて、思考力を鈍らせてしまうのです。回避するにはいったんその場から離れ、頭をクールダウンさせ、麻痺した思考系番地を回復させましょう。そして落ち着いてから売り場に戻り、本当にお得か? たとえお得でなくても欲しいモノなのか? を自問自答しましょう」(加藤先生)。
あるある無駄遣い2:仕事や勉強、頑張る自分にご褒美を
仕事や勉強。頑張っているけれど、誰が褒めてくれるわけでもない……自分で自分を褒めなくてはやってられない、となかば衝動的に買い物。こんな経験に心当たりはありませんか?
「欲求不満を解消したい、成果、報酬がないと頑張れないというのは自然なことです。ただその衝動のままに行動するのがよくないわけで、予め計画することが大事です。例えば、この作業とこの作業の間にご褒美スイーツを食べる、洋服など値の張る買い物なら、スケジュール帳を開いて、この日に買いに行く、というふうに。また欲求不満を解消するのはご褒美を買う以外にも、自分で自分を褒める『ほめ日記』をつける、あるいは趣味に没頭するのも効果的です」(加藤先生)。
あるある無駄遣い3:ショップで試着。店員さんにも褒められて、引くに引けなくなってしまった……
軽い気持ちで試着してみたのに、店員さんは褒め上手。その言葉に背中を押されて、気づけば購入。家で、再び着てみたら「そこまで素敵なアイテムだろうか?」と、後悔した経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
「聴覚系脳番地が弱い人は、周囲の言葉から影響を受けやすくなっています。また一般的に男性のほうが、脳の聞く力が弱い傾向もあります。試着のシーンでは見て、触って、記憶を呼び起こしてというトータルでの情報処理が必要なのですが、聴覚系脳番地が弱いと耳に入った言葉に引きずられてしまうのです。鏡で自分の姿を見て、視覚系脳番地を発動させたり、いったん『他の店も見てきます』とその場を離れたりすることが有効です」(加藤先生)
あるある無駄遣い4:流行遅れは恥ずかしいから、とりあえず!
目まぐるしく現れては消えるトレンド。取り入れてお洒落な人と思われたい、ダサいと思われたくない……と「ひとまず」手に入れたものの、満足度が高い買い物だったとは言えないこと、心当たりはありませんか?
「『この流行は自分に合っているのか?』という自己分析力が弱い人は流行りものを追いかける可能性が高いです。何度もそのモノを眺めて、本当にほしいか考えたり、過去に同じく流行りものを手に入れて失敗したことがないか記憶を探ったりするのもいいでしょう」(加藤先生)。
ちなみに、4つのケースでは登場しませんでしたが、伝達系脳番地が弱い場合は自分の意図や希望を相手に上手に伝えることができないために満足いくモノが買えないという失敗が考えられます。