3「有能な騎手も名馬に乗れば勝てるが、骨折した駄馬に乗っては勝てない」

長期投資が基本でも、残念な投資信託を掴んでしまったらその投資は失敗に終わります。

かつてバフェット氏は銀行が大反対する中、老舗百貨店を買収しました。そこにはとびきり優秀な経営者がいて彼の経営手腕を高く評価していたからです。ところが、すでに斜陽産業となっていた百貨店の経営は好転せずに、投資は失敗で終わってしまいました。

そこで呟いたのが、このセリフ。いくら有能な経営者がいても成長の可能性が低い事業に投資しては勝てません。投資信託も同様に、品質を見極めることが重要です。

過去のパフォーマンスをチェックする、投資手法・投資哲学を確認する、どんな運用会社でどんな人材が働いているのか調べる、など「投資信託」という事業全体のクオリティにこだわることで、自分だけの“名馬”を見つけられます。

4「価格はあなたが払うもの。価値はあなたが得るもの」

バフェット氏のいう「価格」とは株価(投資信託では基準価額)のことで、「価値」とは企業の本来持っている価値のことです。

株式市場では、投資家の目は「価格」に向くため、「価値」は見失われがちです。

本来の価値は一本100円のコーラ飲料であっても、その時のマーケットの状況によって30円や1000円の価格になったりします。

長期でコツコツ投資していたとしても、投資信託の価格(基準価額)が上がったり下がったりすると不安に襲われ、狼狽えてしまうこともあるでしょう。

しかしそのような時こそ、市場の価値の上下に振り回されることなく、その企業(投資信託)のオーナーになったつもりで、企業の妥当な本来の「価値」を冷静に見極めることが大事だ、とバフェット氏は説いています。

5「他人が貪欲になっているときは恐る恐る、周りが怖がっている時は貪欲に」

2008年に起きたリーマンショックでは、世界中の金融市場が恐怖に支配されていました。

そのような中、バフェット氏はニューヨーク・タイムズに「Buy American. I am (アメリカ株を買おう、私は実行中)」というタイトルの記事を投稿し、「株式市場の過去100年を振り返ると、株式投資で損をする方が難しい。それなのに損をする人は多い。不遇な投資家は、環境が良い時だけ投資し、記事の見出しが恐怖感をもたらすときに売却するからだ」と述べました。

つみたてNISA(少額投資非課税制度)などを活用して投資信託でコツコツ投資をしている人でも、株式市場が暴落した際には、パニックに陥り慌てて解約しようとする動きが見られます。しかしながら感情に支配されたら株式市場では負け。実際にバフェット氏は多くの株を“バーゲン価格”で買い、その後米国市場の回復とともに莫大な利益を手にしたのです。

「投資の神様」は、90歳になってもパワフルに行動し続ける

本年8月、バフェット氏は日本の5大商社株へ約6700億円規模の投資を行い「日本と5社の未来に参画できるのを嬉しく思う」との声明を出しました。過去に日本の上場株を保有しなかったことでも知られるバフェット氏の行動はまさにサプライズ!

「本来の企業価値と比べて、株価がバカバカしいほど安い水準で売られた時に買うことで利益が得られる」の名言もあるバフェット氏。日本の商社株への投資は、自らの投資の大原則に従って実行したと考えられます。90歳になってもパワフルに行動し続けるバフェット氏の名言を、ぜひあなたの投資のヒントにしてみてください。