「自動運用型」の最大の特徴はリバランス
実は、自動運用型もやることはアドバイス型と変わらない。無料診断を受けると、ポートフォリオが提示されるので、そのポートフォリオで運用したいと思えば、口座開設をして入金をする。では、どこが違うのか? 両者の違いは運用がスタートしてからだ。自動運用型は、「リバランス」を文字通り自動で行ってくれる。
リバランスとはポートフォリオの調整である。当初の資産配分の比率は金融市場の動きによって変化する。株式市場が上昇し、他の金融商品の価格が変わらなければ、株式の配分比率は高まる。こうした変化を放置しておくと、資産運用において、想定していたよりも大きなリスクをとっていたり、逆に、期待できるリターンが小さくなっている、といった問題が生じてくる。
こうした事態を回避するために、各金融商品の資産の一部を売却、あるいは買い増しをして、当初の比率に戻すリバランスという作業が必要となってくる。自動運用型は、このリバランスまで面倒を見てくれるサービスなのである。よくロボアドについて、「お任せ運用ができる」といった表現が使われるが、その意味するところは、投資家に代わって運用会社がリバランスを行う、ということなのだ(なお、リバランスにはポートフォリオの配分比率自体を見直すことも含まれる)。
「アドバイス型」は実質的には販促ツール?
アドバイス型と自動運用型の違いである「リバランスの有無」は、手数料の違いとしてもあらわれる。アドバイス型の手数料は無料だが、自動運用型はすべて有料。その水準は運営会社によって変わり、投資金額の約0.7~1%(年率)となっている。すると、リバランスがこの手数料に見合うかどうかがポイントといえそうだが、実は、アドバイス型と自動運用型の違いはまだある。それは提案される投資信託の中身だ。
ロボアドで提示される投資信託は、基本的には、金融商品の指数に連動するインデックスファンドである。アドバイス型の場合、往々にしてサービスを提供する金融機関の系列の運用会社のインデックスファンドとなっており、信託報酬などの投資信託にかかるコストが割高なものが含まれていることが少なくない。また、中にはテーマ型ファンドが提示される場合もある。つまり、ロボアドとは名ばかりで、たんに投資信託を売るための〝販売促進ツール〟になっているケースが多い。
一方、自動運用型で提示される投資信託は、コストが割安なものがほとんどだ。主流は、米国に上場しているETF(上場投資信託)で、ざっくり言うと、信託報酬は国内の同じカテゴリーの投資信託の半分以下になっている。米国上場のETFは、なかなか個人で買うのはハードルが高い。したがって、自動運用型の手数料には、そうした割安な投資信託に投資できるというメリットも含まれていると考えられる。