【CASE3】思い切ってリスクを取って増やしたい場合

大きな利益を狙える投資ほど、損失の可能性や変動幅も大きくなります。要するに、ハイリターンが狙えるものはハイリスクであり、リスクを抑えるなら期待できるリターンも同様に抑えられてしまいます。

リスクが高い商品は良くない、と考える人もいますが、本来はリスクの高低に良し悪しはありません。ハイリスクを受け入れることができる人は資産状況の観点でも、性格の観点でもそれほど多くありません。そのため、求めるリターンをある程度妥協してリスクを抑える投資が一般的に推奨されている、というだけなのです。ハイリスクな状況を深く理解し、許容できるなら、ハイリターンを狙ってもかまいません。ごく少額で挑戦する場合や、いわゆる「あぶく銭」であれば、ハイリスクな投資に投じられる場合もあるでしょう。

定額給付金は自分で働いて稼いだお金ではありませんから、普段は手を出しにくいリスクの高い投資にトライするという選択もアリでしょう。「成長を期待しているけれど、ちょっとリスクが高いかな」と感じていた対象があれば、これを機に投資してみる手もあります。

たとえば、コロナ禍でも順調に上昇しているアマゾンやマイクロソフト、グーグル(上場する持株会社はアルファベット)などにまとめて投資できるNASDAQ100指数は、ほぼ一本調子でグングン上昇している分、いずれ来る調整局面での下落幅も大きくなるかもしれません。それを許容できるなら、有望な投資先のひとつになります。

NASDAQ100指数に連動する投資信託としては「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」などがあり、ETFで言えば東証にも「NEXT FUNDS NASDAQ-100®連動型上場投信(1545)」という商品が上場しています。

あるいは、コロナ禍で期待を集めるバイオ関連も注目です。現在、世界中の製薬企業が新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発を進めており、成功すれば大幅な株価上昇が見込めます。感染拡大が収束しても人類と病気との闘いが終わるわけではなく、新薬が成功すれば大化けも見込めるバイオは、コロナ禍でなくとも夢のある投資対象です。

開発に失敗すると暴落もあるので個別株への投資はかなりハイリスクですが、複数企業に分散投資する投資信託なら、ある程度リスクは抑えられます。規模の大きい投信としては、「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド(愛称:健次)」が代表格。また、NASDAQバイオテクノロジー指数に連動する投信としては、「iFreeNEXT NASDAQ バイオテクノロジー・インデックス」といったものもあります。

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いずれのケースでも、家族分の給付金をまとめて投資する場合、金額が大きくなるため、一度に購入するのが不安な場合は、何度かに分けて投資するのもいいでしょう。

新型コロナウイルスによる影響規模は、生活様式の変革すらも迫る大きなものになりつつあります。幸いにもコロナ禍による被害を受けずに済んでいる人も、今回の定額給付金を「コロナ後の世界」に向けた準備に活用してみてはいかがでしょうか。