業界誌が聞いた「注目のファンド」トップ5

2020年2月発行の投資信託業界誌「Ma-Do(マ・ドゥ)」誌上に掲載された11ファンドのうち、2020年3月に同誌読者である投資信託販売会社(銀行、証券会社、IFA等)の社員・アドバイザーに行ったアンケートで「関心がある」との得票数が多かったファンドは以下の5本となった。

3月は新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に影響を及ぼした「コロナショック」の渦中。今やすっかり平静を取り戻し、「コロナ前」の水準に戻った指数もあるが、当時はリーマン・ショックの再来かといった不安が渦巻いていた。販売会社としては厳しい状況の中、投資信託を扱うプロたちはどんなファンドに注目したのか、5位のファンドから寄せられたコメントを見ていこう。

5位グローバル・ロボティクス株式ファンド

日興アセットマネジメント

ファンドの特徴
・国内外のロボティクス関連企業の株式に投資
・2020年で5年目を迎える
・設定来堅調なパフォーマンスを維持

「中長期的な成長が見込める国内外のロボット分野に集中投資しているファンド。テーマ型だが、イメージしやすいことからお客さん受けもいい。目先の変動を気にせず長期で保有していきたい」(40代・銀行) 「テーマ型のファンドは長期保有には適さないと言われるが、この分野に関しては長期トレンドとして、ある程度長期保有しても悪くはないテーマだと思う」(20代・銀行)

AIやセンサーといった関連技術を含むロボティクス関連企業に投資するファンド。いわゆるテーマ型に類するものの、すでに製造や情報通信、医療など幅広い活用例が見られイメージも湧きやすいからか、コロナショックによる下落を受けてなお「長期的目線で注目していきたい」といった声が集まった。

4位グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド(愛称:健次)

三菱UFJ国際投信

ファンドの特徴
・主要先進国のヘルスケア・バイオ関連株式に投資
・財務・収益状況の健全な企業へ、割安度を重視したバリュー投資を実施
・設定から15年以上の歴史を持つ

「今は先行き不透明だが、こういう時こそディフェンシブ銘柄の成長性が期待できるのでは」(30代・銀行) 「世界的に高齢化が進んでいくと考えたとき、医療などのヘルスケア分野はなくならないし、新型コロナウイルスに代表されるように病気も“新しく”なり、需要は高くなっていくと思う」(30代・銀行)

長期の運用実績を持つヘルスケアファンド。医療は景気動向に左右されにくいディフェンシブな業種と見なされてきたが、テクノロジーとの融合によりさらなる成長も見込める、といった見方も出てきている。さらに、新型コロナウイルスという「未知のウイルス」の登場を受けてか、その重要性をあらためて認識した読者からの意見も目立った。