当たり前のことに気付かされたひと言(30代・銀行)

私は2009年入行。リーマン・ショック後、相場がまだ落ち着かない頃に販売員になりました。まだろくに投資信託のことやファンドの商品性も身に付いていない頃は、ノルマに追われ、お客さまに「投資してみましょうよ」「買い増しのタイミングではないですか?」などと、過去の応対履歴も調べないまま提案していました。当然、成果は現れません。

しかしそのとき、ある優しいお客さまから「投資したお金は、銀行さんにとってみればただの成果の数字かもしれないけど、私たちにとっては、将来子供に使うお金や老後のお金。本当に重要なものなの。だから、ちゃんと寄り添う気持ちで提案してね」と言われたことが胸に残っています。

これを機に、お客さまとの過去の応対履歴を調べ、本当にこのお客さまに必要な提案なのかをしっかりと確認上で提案するようになった、大事なひと言です。 

銀行に限らず、日々扱っている商材の価値が麻痺してしまう感覚はどんな業種にもあるでしょう。だからこそ、過去の情報やお客さまと向き合うことが重要なのかもしれません。あえて伝えてくれたお客さまに出会えたのは、本当に幸運でしたね。(編集部)