資産運用の普及に伴い、全世界株式(オール・カントリー)をベンチマークとする投資信託が人気を集めています。その指標となる株価指数に採用されている個別株式に注目すれば、世界基準の厳しい選別を勝ち抜いた優良銘柄を効率よく見極めることが期待できます。本連載ではそんな株価指数の代表格であるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)の組入銘柄である日本株に着目。特定の領域で卓越したシェアを誇るグローバルニッチトップ企業にフォーカスします。第6回目は、EUVマスク検査で世界的なシェアを誇るレーザーテック。ニッチな分野で高い独自技術を持ち、営業利益率が4割を超える高収益を維持する同社の強みに迫ります。
独占市場で高収益を誇るグローバルニッチトップ
世界の半導体メーカーが巨額の投資競争を繰り広げる最先端チップ。実はその製造に、日本企業が「代わりのきかない」装置を供給していることをご存じでしょうか。最先端半導体を製造するうえで不可欠なEUV(極端紫外線)露光。その露光装置をほぼ独占するのがオランダのASMLなら、露光に使う「原版」であるEUVマスクの検査で圧倒的な存在感を放つのがレーザーテック(6920)です。
特に強みを持つのが、実際のEUV露光と同じ波長13.5ナノメートル(nm)の光で欠陥を検査する「アクティニック検査」。経済産業省の委託調査報告書(2023年)によれば、EUV光を用いるマスクブランクス・パターンマスク向けアクティニック検査装置を製造・販売するのはレーザーテックのみであり、シェア100%とされています。
2026年6月期の営業利益率は45.7%。半導体製造装置の中でも、検査という「技術的難度が高く、付加価値の高い狭い市場」に経営資源を集中させることで高収益を実現するグローバルニッチトップ企業です。
