「定年になったら離婚する」長年、夫婦関係に耐えてきた妻

地方都市に暮らす佐々木由美子さん(63歳・仮名)は、夫の正夫さん(65歳・仮名)と二人暮らしです。

正夫さんは地元企業に長年勤務し、管理職を務めてきました。由美子さんも40代から会社員として働いており、現在の年収は約300万円です。

二人の子どもはすでに独立しています。

正夫さんは仕事中心の生活で、共働きにもかかわらず家事や子育てのほとんどを由美子さんに任せきり。

子どもたちが独立してからは、夫婦で会話する機会も減っていき、同じ家に暮らしていても帰宅時間が違うこともあり食事も別々、休日もそれぞれ好きなことをして過ごします。

由美子さんは何度も離婚を考えましたが、経済的なことを考えるとなかなか決断できませんでした。

今は仕事をしていて収入もあるので生活自体はできますが、離婚となれば住宅費も生活費も一人で負担することになり、いまいち離婚に踏み切れずにいました。

そして、これから先の人生、リタイアした後の人生を夫と一緒に過ごすことにはどうしても前向きになれません。

そんなとき、友人との会話で年金分割の話を聞いたのです。

「離婚したら、夫の厚生年金を半分もらえる……」

由美子さんは、それまで年金分割について詳しく調べたことがありませんでしたが、夫は長年会社員として働いており、年金もそれなりの金額になるはずです。

自分自身の年金もあるのだから、夫の厚生年金を半分受け取り、退職金も受け取ることができれば、一人でも十分に生活できるのではないか。

そう考えるようになりました。

「あと少し。あの人が定年になったら、離婚しよう」

由美子さんは、夫の定年退職を一つの区切りにしようと決めたのでした。

●しかし由美子さんは、この後、年金事務所で思いもよらない説明を受けることになります。後編【「えっ…夫の年金の半分じゃないんですか?」満を持して熟年離婚した63歳女性、思惑が外れた年金の支給額】で詳しくご紹介します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。