NISAの普及もあり、話題にのぼることが多くなった投資信託。でも、一体どうやって選べばよいのでしょうか? 業界歴30年以上、元・兜倶楽部、日銀記者クラブの記者であり、投信評価機関でも勤務するなど長年投信マーケットを見つめてきたライターの徳永浩氏が、ちまたでなにかと比べられる2本の投資信託を比較・分析。それぞれの特徴や強み、知っておくべきポイントを考察します。
今回は、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが運用する「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」(以下、netWIN)と、野村アセットマネジメントが運用する「情報エレクトロニクスファンド」(以下、情報エレクトロニクス)を比較します。20年以上の長期投資という条件なら、この2本は非常に興味深い比較です。
なぜなら、「米国テクノロジー」対「日本のテクノロジー」という単純な比較ではなく、両ファンドとも20年以上の運用実績を持ち、ITバブル崩壊、リーマン・ショック、東日本大震災、コロナ・ショック、そして、生成AIブームまで、複数の市場サイクルを実際に経験しているからです。
結論を先に申し上げると、私は長期の成長力・世界市場へのアクセスを重視するなら「netWIN」、割高感の抑制や日本企業の構造変化まで取り込みたいなら「情報エレクトロニクス」という評価です。
まさに好敵手! 性格の違う2つの長寿ファンド
「情報エレクトロニクス」は1984年設定で、40年以上の運用実績を誇る日本株ファンドです。一方、「netWIN」は1999年設定で、25年以上の運用実績があります。つまり、「長期実績のあるテクノロジー株ファンド」という意味では両者とも非常に貴重な存在です。
■基本スペックの比較
同じ「テクノロジー株式」を主要な投資対象にしていても、「テクノロジー」の定義が大きく異なります。ここが、今回の対決の核心です。
■netWIN
「netWIN」は、特定の業種を買うファンドではありません。ゴールドマン・サックスAMは、「テクノロジーの発展の恩恵により、継続的な収益拡大が期待できる米国企業を投資対象とし、個別企業をボトムアップで選択する」としています。
つまり、「テクノロジーそのもの」ではなく、「テクノロジーによって利益が拡大する企業」を探すファンドです。これは長期投資ではかなり重要な特徴です。
■情報エレクトロニクス
「情報エレクトロニクス」は、電気機器、精密機器などエレクトロニクスに関連する企業群、また、情報・ソフトウエア、通信など情報通信に関連する企業群という日本のテクノロジー関連企業を主要投資対象としています。
こちらは、「日本の製造業・エレクトロニクス・情報通信の技術革新」に投資するファンドと考えると分かりやすいでしょう。
現在の組入銘柄を比較すると、さらに違いが見えてきます。
「netWIN」は、AI、クラウド、半導体、データセンター、デジタル広告、ネット通販など、世界のデジタル経済の中核企業が並んでいます。今後、10年、20年という長期の投資対象として評価した場合、世界のデジタル・プラットフォーマーである「netWIN」組入銘柄に成長期待は高いように感じられます。
「情報エレクトロニクス」と構造上の違いを分かりやすく表現すると、
netWIN=世界のデジタルプラットホーム+AI+半導体
情報エレクトロニクス=日本の製造技術+半導体製造装置+電子部品+FA+情報通信
という構造です。

