頼ることで変わった嫁姑の関係
あれ以来、葉月は理香子に陽翔を任せて外出することが増えた。
あるときは美容院で伸びた髪を整え、また別の日には1人でゆっくり買い物をした。ふらりとカフェへ入り、甘いものを食べて帰ることもあった。
その日は、久々に友人とカフェでランチをした。
「葉月も旦那に子ども預けてきたの?」
「ううん、今日は向こうのお義母さんに陽翔を任せてきたの。夏休みになってからちょくちょくお願いしてるんだ」
「へえ、お姑さんとうまくいってるみたいだね」
「最近やっとね」
葉月はそう言いながら、注文したサンドイッチを頬張った。
陽翔に「一口ちょうだい」と言われることも、食べ終わるのを待たされることもない。自分の好きなペースで好きなものを食べ、友人の近況を聞き、たわいのない話をする。それだけで、生き返ったような心地がした。
2時間ほどして帰宅すると、リビングから陽翔の大きな笑い声が聞こえた。
「ただいま」
「お母さん、おかえり!」
陽翔が駆けてくる。その後ろで、理香子も楽しそうに笑っていた。
「この子ったらゲームが強いのよ。何回やっても負けちゃった」
「おばあちゃん、3回も負けたんだよ!」
「えー、そうなんだ。すごいじゃない」
葉月は相づちを打ちながら、晴れやかな気持ちでリビングへと足を踏み入れた。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
