③DC資産を「iDeCoへ移換する」
DCの資産をiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)へ移す方法です。DCでは加入資格を喪失しますので、掛金の拠出はできなくなります。掛金の積み立てを継続したければ、自己負担となりますが、iDeCoに加入することで可能です。拠出した掛金は所得控除の対象となりますので、課税対象の所得が減り、税負担の軽減につながります。会社に必要書類を提出すれば、年末調整で反映されます。そしてiDeCo加入時にDCの資産を移換すれば、新しい掛金と一緒に運用することができます。移換せずに②で説明したDCに資産を置いて運用を継続することも可能ですが、iDeCoに一本化してまとめて運用をした方が口座管理手数料も節約できますし、シンプルで管理しやすいと思います。
60歳以降、まだまだ働いて資産形成も継続したいとお考えの方にぴったりです。掛金の拠出限度額は他に企業年金等に加入していなければ、現在は月23,000円が上限ですが、制度改正により2026年12月からは一定の条件のもとで、最大月62,000円まで拡大します。
加えて、iDeCoの受給時には、その加入期間は退職所得控除の算定期間に加算されますので、一時金で取得する場合は、所得税の軽減効果も期待できます。
iDeCoに加入するには、まず金融機関を選ぶことから始まります。金融機関によって口座管理手数料や商品ラインアップが異なる(DCで利用していた商品があるとは限りません)ので希望に合ったものを探すことが大切です。ネット証券系は商品ラインアップが充実しているとされていますが、今は銀行系にも魅力的なプランが用意されているため、比較検討するとよいでしょう。
そのほかの留意点としては、DCからの移換に際し現金化する必要があること、移換完了まで時間がかかること、などが挙げられます。
まとめ:60歳はDCの「第二の選択タイミング」
DCは60歳以降も働く人にとって、「受け取るかどうか」だけでなく、いつ・どのような形で使うかを自分で設計できる資産です。その選択に際しては、税金の考慮も大切ですが、何より、第二の人生においてどのようにお金を使うかを考えることが重要です。そしてDCの使い方の選択は、DC単体で考えるのではなく、60歳以降の給与収入、退職金、公的年金など、今後見込まれる収入全体とあわせて検討することが大切です。
(執筆:三菱UFJ信託銀行 日下部 朋久)
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