DCでアドバイス解禁? 「元本確保で放置」が減る可能性も

〈適切な商品選択のサポート〉

「現在、加入者の約20%は元本確保型商品のみで運用しており、実質的な資産価値が毀損し続けるリスクに直面している。このため、個々人の適切な商品選択をサポートする観点から、以下を検討する」として、4項目が挙げられています。

①加入者が金融機関から個別商品のアドバイスを受けられるようにする。

従来、運営管理機関は運用商品の内容の説明はできても、アドバイスはできませんでした。どの運用商品がいいのか?という質問に対して、シミュレーションを活用して運用商品の選択に役立ててください、というのが精一杯でした。仮に、金融機関による個別商品の推奨・助言が可能になった場合、一定の基準をもって対応していくことになります。

②ロボアドバイザーサービス(投資一任契約)の取り扱いを整理する。

投資一任契約は米国401(k)でも活用されています。

以前から、DC継続教育の後のアンケートでは「対面での相談」を望む声がとても多く、それだけ具体性を持った内容が必要とされているのだと思われます。一方、希望者全員に人が対応するのは、あまり現実的ではありません。人が対応するのではなく、ロボアドバイザーサービスがより使いやすい形で提供されれば、運用商品を選択し、継続していくうえでの安心感にもつながると思います。また、AIが普及しつつある現在、AIで一定程度、疑問点を解消することもできそうです。

③商品除外手続き(選択者の2/3以上の同意)を緩和する。また、商品ラインアップを35本以下とする現行規定を見直す。

商品除外手続きは2018年5月に2/3同意に緩和され、2021年7月には売却を伴わない商品除外手続きが可能になりました。ここでは、さらなる見直しが提案されています。

もともと、企業型DCの実施事業主は加入者の運用情報を把握できない、という定めがあります。そのため、商品除外手続きは、運営管理機関が通知や対象者の同意・不同意を確認することとなっています。この部分が見直されれば、より除外を行いやすくなると思われます。また厚生労働省の懇談会(※)では、同意を必須とせずに労使合意で除外可能にするべきという意見がありました。

運用商品数の上限については、35本よりも増やすことを要望される事業主はあまり多くないようです。上限の設定の要否についても、今後議論されていくことと思われます。

※確定拠出年金制度の運用改善等に関する有識者懇談会

④指定運用方法の設定を促進(義務化を検討等)するとともに、長期的な資産形成に適した商品を設定していない場合には、その理由を加入者に説明する仕組みとする。

指定運用方法は、2018年5月から設定可能になった仕組みです。日本全体でみると、指定運用方法が設定されている規約は49.3%となっています。これは、記録関連運営管理機関の仕組みが異なる点が影響していますが、義務化となると規約変更が必要で、かつ丁寧な労使合意手続きが必要となります。

なお、指定運用方法を設定している規約のうち、元本確保型商品が77.9%を占めており、多くの規約でその理由を加入者に説明する必要が生じるかもしれません。

指定運用方法の設定から8年が経過しますが、指定運用方法が適用された加入者は15.7%となっています。指定運用方法が半数の規約で設定されていないことを考えると、15.7%はかなり高い割合といえるのではないでしょうか。

※数値は厚生労働省「第1回企業年金の加入者のための運用の見える化等に関する懇談会」資料2