2026年7月21日に「日本成長戦略」が閣議決定され、ここに掲げられた「金融を通じた潜在力の開放」を実現するために、「成長投資を促進するための金融戦略-資産運用立国のアップグレード-」が公表されました(以下、成長投資金融戦略)。成長投資金融戦略は4つの柱で構成され、それぞれが相互に連携し、企業・金融機関・市場・家計をつなぐインベストメントチェーンの強化をめざしています。

1. 金融機関・市場の機能強化
2. 企業の成長投資を促進するためのガバナンス改革等
3. 国民が経済成長の成果を最大限享受するための環境整備
4. 金融システムを支えるインフラへの投資

このなかで3の「国民が経済成長の成果を最大限享受するための環境整備」に確定拠出年金(DC)についての言及があります。

まずDCが論じられた成長投資金融戦略

成長投資金融戦略では最初に、「DC制度の改善」が掲げられています。家計の資産形成に関しては、2024年3月に閣議決定された「国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本方針」では、最初にNISA(少額投資非課税制度)に関する施策が記載され、その後にiDeCo(個人型確定拠出年金)について触れられていました。これまではNISA拡充が中心でしたが、DC制度改善へと注目度合いがシフトしつつあると考えられます。

DCについての認識は、次のように示されています。

「企業型DC・iDeCoは、NISAと並ぶ重要な資産形成ツールである。一方で、例えば、iDeCoの加入者数は約400万とNISAの口座開設者数(2,800万超)の1/7以下であり、その差も年々拡大している」

DC制度が資産形成に重要な役割を果たす認識を示しつつも、iDeCoの普及率が低い点を指摘しています。その理由として、制度が使いにくいことが想定されており、制度の改善や広報の充実などで補うことが提言されました。成長投資金融戦略での制度改善と広報について見てみましょう。