「フィジカルAI」もテーマに 日米で「工事の自動化」を展開

26年1月の株価上昇のきっかけとなった前期(26年3月期)第3四半期決算は、実はサプライズ感に乏しい内容でした。見通しの修正はなく、進捗率も売上高が75.0%、営業利益が83.8%と、おおむね計画どおりの着地といえます。

それでも株価が上昇したのは、投資家がコマツに対して懐疑的だったためだと考えられます。市場コンセンサスは低い水準を予想していたところ、コマツは自社計画に沿った利益を稼ぎ、再評価につながったとみられます。

今期(27年3月期)は中東リスクや米国関税などの一時要因も織り込んだ計画で、需要見通しも保守的です。第1四半期から上方修正したとはいえ、市場コンセンサスは、また低い水準にとどまっている可能性があります。投資家の期待が弱い環境なら、事前の計画どおりの成長でも、株価は上昇しやすいと考えられます。

また、今後は「フィジカルAI」銘柄としての評価も期待したいところです。コマツは26年7月末、米AIMインテリジェント・マシーンズと戦略的パートナシップを締結しました。

AIM社はブルドーザー・油圧ショベル向け自律運転を開発するフィジカルAI企業です。無人ダンプトラックを手掛けるコマツとは以前から協業関係があり、米国市場ではすでにコマツ製の建設車両が自律運転を開始しています。今回のパートナシップは関係をさらに深化させるもので、日本と米国において自律施工ソリューションを展開していく方針です。

フィジカルAIは主に製造業で注目される技術ですが、人材不足は建設業界においても課題であり、今後は建築や土木、鉱山といった領域でも導入が進むとみられます。そのプレイヤーの一角としてコマツが評価されれば、株価はさらに上昇するかもしれません。