なぜ上方修正? 中東と米国関税リスクが後退、需要も堅調
決算を深堀りし、上方修正に踏み切った理由に迫りましょう。見通しが上振れることとなった背景には、事前に織り込んだ保守的な計画があります。第1四半期の傾向が今後も続けば、営業増益に転じる展開も期待されるところです。
コマツは今期予想に中東情勢と米国関税の悪影響を織り込んでいました。中東情勢は売上で901億円の下押し、コストが188億円増、米国関税はコストが378億円増加すると試算していたものです。
しかし、第1四半期決算では、中東情勢のコスト影響を除き、これらの影響は緩和方向へ見直されました。中近東の需要が想定より落ち込まなかったことから、中東情勢による売上影響は438億円の改善となっています。また、米国関税は一部で税率が変更されたことから、コスト影響は120億円改善し、中東情勢のコスト影響44億円の悪化を吸収する見通しとなりました。
【27年3月期に織り込んだ一時影響(26年7月時点)】
・中東情勢の売上影響:-463億円(26年4月時点-901億円)
・中東情勢のコスト影響:+232億円(同+188億円)
・米国関税のコスト影響:+258億円(同+378億円)
出所:小松製作所 決算説明会資料
需要の見通しは他の地域でも引き上げられています。主力の北米は前年並みから最大5%増へ、インドネシアなどのアジアは最大10%減から最大5%減へと上方修正されました。建設機械・車両全体では、従来の最大5%減から、前年並み~5%増へと引き上げられています。
【27年3月期の主要7建機の需要見通し(建設機械・車両、26年7月時点)】
・全体:0%~+5%(26年4月時点-5%~0%)
・北米:0%~+5%(同前年並み)
・欧州:0%~+5%(同0%~+5%〈変更なし))
・アジア:-5%~0%(同-10%~-5%)
・日本:前年並み(同前年並み〈変更なし))
※小松製作所推定
出所:小松製作所 決算説明会資料
これらの要因に加え、第1四半期は想定より円安が進展したことも影響しました。通期平均の予想為替レートは、従来の1米ドル=150円から152.1円に見直されたことから、見通しの引き上げにつながっています。