「そろそろ確認したほうが…」
俊司さんの65歳からの老齢基礎年金は80万円、老齢厚生年金は60万円。繰下げ受給で受給開始を遅らせると1カ月で0.7%増額されることになります。
もし、ちょうど5年、70歳0カ月まで繰下げ受給すると、42%(0.7%×60カ月)増額され199万円程度になりそうだと確認します。
一方、妻・里美さんは既に年金の手続きを行い、受給を開始していました。そのため里美さんは、年金にあまり関心を持っていない俊司さんのことが心配でした。
俊司さんが仕事を辞めた後のおおよその年金収入を把握して、将来の家計について考えておきたいとも思っていました。
そのため、俊司さんに「そろそろ年金のことを確認したほうがいいんじゃない?」と促していたのです。
「今すぐ年金の手続きを行ってください」
俊司さんは68歳になる直前です。さすがに年金について少しは考えなければならないと思ったのか、里美さんに言われるがまま、年金事務所に行くことになりました。
「個人事業をやっていて、おかげさまでそれなりに高い収入を得ています。収入が多いと年金は受け取れないとも聞いていますし、今のところ、年金が必要な状況ではありません。そのため年金の受け取りについてこれまで何もしていなかったんですが、70歳かそれより後に繰下げ受給しようと思っています。その頃に手続きすればいいですか」
俊司さんは窓口でそのように質問しました。
すると窓口の職員は慌てて言いました。
「いえ、今すぐ年金の手続きを行ってください」
●なぜ手続きを急ぐ必要があるのでしょうか? 後編【危うく「120万円も損」するところだった…年金の手続きを忘れていた67歳男性が体験した「思い込みの怖さ」】では、その理由について詳しく解説します。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
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