投資信託の良しあしを見定めるのは難しい。相場つきが悪くて短期的には成績が振るわなくても、長期で見れば優れた運用を行っている投信は存在する。逆に、波に乗って一時的に好成績を収めたものの、トレンド転換と共に一気に沈んでいく投信も少なくない。本シリーズ「探せ! あなたの“推し”投信」では、長期投資の投資家に人気の投資信託の強さの秘訣を探る。

今回取り上げるのは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」だ。純資産総額は8月18日現在で8064億円を超えている。なぜこれほど支持されているのか? 本稿ではその理由をひも解いていく。

日本を代表する指数「TOPIX」連動のインデックス

本ファンドの特徴をひとことで言えば、超低コストで運用され、国内株式インデックスファンドの中でも最大の純資産残高を有する点にある。2017年2月に設定された追加型投信で、分類は国内株式ファンド(インデックス型)。

ベンチマークはTOPIX(東証株価指数、配当込み)で、これは東証プライム市場等に上場する国内株式を対象に、時価総額加重方式で算出される日本の株式市場全体を表す代表的な指数だ。運用は「TOPIXマザーファンド」への投資を通じたファミリーファンド方式によるパッシブ運用で、コース設定はない。

組入上位業種は電気機器が20.8%と最大の一方で、直近では組み入れ比率4.0%の三菱UFJフィナンシャル・グループを筆頭に、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループなど銀行業の割合も高まっている。これはTOPIX自体の構成をそのまま反映したものといえるだろう(2026年7月31日現在)。

国内株指数で代表的なものは、このTOPIXと日経225があるが、日経225は東証プライム市場に上場する銘柄から主要225社を選んでいるため、いわゆる「値がさ株」の比重が大きくなる。それに対し、より銘柄が分散されているのがTOPIXといえる。現在、約1600銘柄を構成銘柄とし、当ファンドを含むTOPIX連動インデックスファンドも、基本的には指数構成に準じた銘柄組み入れを行う。

また、TOPIX連動ファンドは以前から発売されていたが、本ファンドは設定当時においてTOPIX連動ファンドとしては業界最安基準の信託報酬を打ち出し話題となった。低コストインデックスファンドブームの先駆けとなったファンドのひとつといえる。

NISAでは成長投資枠・つみたて投資枠の両方の対象となっている。