株価の好評価は最高益も裏付け 成長鈍化には注意

最後に全体の業績を確認しておきましょう。

26年3月期は営業利益が2312億円(前期比9.1%増)となり、2期連続で過去最高を更新しました。事業ポートフォリオ改革が進展し、エレクトロニクス事業や医薬事業といった重点成長領域が伸びた格好です。進行期である27年3月期も、営業利益は2480億円(同7.3%増)を計画しており、3期連続の最高益が視野に入ります。

旭化成の業績(2017年3月期~2027年3月期)
 
出所:旭化成 決算短信より著者作成
 

株価が7年ぶり高値をつけた背景には、半導体事業と事業ポートフォリオ改革への期待のほか、過去最高益という業績面の裏付けもあります。一方で、営業増益率は2年連続で1ケタ台にとどまる見通しで、利益成長には鈍化の兆しがあり、ROIC(投下資本利益率)やROE(自己資本利益率)も改善には一服感があります。

旭化成の利益率(2023年3月期~2027年3月期)
 
出所:旭化成 決算説明会資料より著者作成
 

株価が最高値水準で評価される旭化成ですが、もう一段の上昇にはさらなる利益率の改善を期待したいところです。各種の成長戦略の効果が発現し、業績としても確認されれば、株価はより高い水準へと切り上げる展開も期待できるでしょう。事業ポートフォリオ改革が「数字に表れる段階」へと進むかどうか、次の決算にも注視したい局面です。