住宅や医薬品も手掛ける総合化学メーカー 半導体事業に熱視線
旭化成は化学を軸にした総合企業です。「サランラップ」の食品用ラップや「ヘーベルハウス」の住宅事業が有名ですが、基礎化学品から医薬品、さらにはセンサーなどの電子部品も手掛けるなど、化学にとどまらない広範な事業領域を持つことが特徴です。
【セグメント情報(26年3月期)】
・マテリアル(営業利益683億円、営業利益率5.23%)
半導体向け絶縁材、プリント配線板向けガラスクロス、センサー、自動車内装向け人工皮革、透過膜、リチウムイオン電池向けセパレータ、繊維、食品用ラップ、機能化学品、基礎化学品
・住宅(同998億円、9.26%)
戸建住宅、集合住宅、建材
・ヘルスケア(同835億円、12.57%)
医療用医薬品、ウイルス除去フィルター、除細動器
出所:旭化成 決算説明会資料
その中で、株価上昇をけん引しているとみられるのが、マテリアル事業内部の半導体事業です。半導体向けの部材を提供する領域で、AI需要から業績が拡大してきました。半導体事業を含むエレクトロニクス事業の営業利益は26年3月期までの3年間で2.4倍に成長しており、減益トレンドだったマテリアル事業の営業利益も同期間に66.5%増加しています。
【マテリアル事業のサブセグメント営業利益(26年3月期)】
・エレクトロニクス:296億円(23年3月期比+174億円)
・カーインテリア:91億円(同+66億円)
・エナジー&インフラ:5億円(同+86億円)
・コンフォートライフ:172億円(同+46億円)
・パフォーマンスケミカル:51億円(同-29億円)
・エッセンシャルケミカル:62億円(同+13億円)
出所:旭化成 Financial Factbookより著者作成
旭化成は今後も半導体に注力する方針であり、エレクトロニクス事業を「重点成長」領域へ指定しています。主力の感光性絶縁材料「パイメル」は25年に生産能力の増強を決定し、生産量は31年3月期に25年3月期比で2倍以上に高まる見通しです。また、26年7月には感光性ドライフィルムレジスト「サンフォート」の新工場が台湾に竣工し、生産能力は1.4倍から最大2倍まで拡張する計画となっています。
株式市場でAIおよび半導体は主要なテーマとなっており、旭化成もそのプレイヤーとして評価されたことが、株価が上昇した要因の1つと考えられます。
