2028年4月から加給年金額が見直しへ

今後の動向を見てみると、2025年の年金制度改正(2028年4月施行予定)によって配偶者の加給年金額は縮小され、子の加給年金額は拡大されるという方向で見直されます。ただし、すでに配偶者の加給年金額が加算されている人については縮小されることはありません。あくまでも2028年4月以後に加算対象となる場合に限られます。

変更後の加給年金額は以下の通りです。

①配偶者加給年金額は約1割減額

2028年4月からは年額367,200円(2024年度価格で換算)に約1割減額され、今後もさらなる縮小が議論される可能性はあります。

②子の加給年金額は大幅拡充

2028年4月からは年額で全員一律281,700円(2024年度価格で換算)となります。また、老齢厚生年金の受給権者の厚生年金加入期間の要件も20年以上から10年以上に短縮される予定です。

老齢厚生年金の受給開始時期は加給年金額も考慮すべし

ここで会社員の夫と専業主婦の妻を例に、老齢厚生年金の受け取り時の注意点を考えてみます。

下図のように、老齢厚生年金を支給繰上げした場合でも65歳に達するまで加給年金額は加算されません。仮に老齢基礎年金を支給繰下げしても、老齢厚生年金を65歳から受給すれば、加給年金額も65歳から加算されます。

一方で、老齢厚生年金の支給繰下げをしている間、加給年金額は支給停止となり、老齢厚生年金額は支給繰下げをして増額しても、加給年金額は増額されません。支給繰下げの場合は加給年金額の加算の有無も考慮したいポイントです。

【老齢年金を繰上げ・繰下げした場合の加給年金額】

 

最後に、配偶者が65歳になると、老齢厚生年金に加給年金額は加算されなくなりますが、1966年4月1日までに生まれた人の場合は、配偶者自身の老齢基礎年金に振替加算が行われます。

振替加算は、配偶者自身の老齢厚生年金が少ない人の老後生活を支えるために作られました。1986年の改正で国民年金第3号被保険者が義務化されたことに伴って、生まれ年が遅いほど振替加算の額は縮小されています。ちなみに、振替加算の額は、今後65歳を迎える人は年額で16,335円(令和8年度)となります。

いかがだったでしょうか?

配偶者の加給年金額は「ねんきん定期便」には記載されておらず、老齢厚生年金の受給時に請求することが必要となっていますので、もし加算されていない場合は5年以内に請求すれば受け取ることができますので、自分が該当するかどうか確認しておくことをおすすめします。

(執筆 : 花村 泰廣)

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