前回は、住宅ローンの借り方や選び方に見られる地域差について確認しました。ペアローンや超長期ローンといった選択は、地域ごとの前提条件の違いを反映していることが見えてきました。
●詳細記事:首都圏は変動金利派多数、中京圏は購入時期が早め? 地域によってここまで違う「住宅ローン選択」のリアル
では実際に、その結果として家計はどのような状態になっているのでしょうか。今回は、住宅購入後の家計に焦点を当て、「無理のない借り入れができているのか」という点をデータから読み解いていきます。
借入額は増加、資産全体のバランスを意識か
まず、住宅ローンの借入額を見てみます。エリア別に見ると、借入額の中央値は首都圏が最も高く、約3割の世帯が5,000万円超の借入となっています(図表1)。住宅価格の高さを考えれば当然とも言える結果ですが、数字だけを見ると「かなり負担が重いのではないか」と感じる方も多いかもしれません。
一方で、頭金の状況を見ると、どのエリアでも「ゼロ~1割程度」が過半数を占めています(図表2)。つまり、多くの世帯が自己資金を大きく取り崩すのではなく、一定程度手元に残した状態で住宅ローンを組んでいるということが考えられます。
この背景には、将来の不確実性への備えや、教育費・生活費とのバランス、住宅ローン控除を意識した行動があると考えられます。住宅購入にあたって「とにかく頭金を多く入れる」という考え方から、「手元資金も含めて全体のバランスを取る」という考え方へシフトしている様子がうかがえます。
【図表1】エリア別 借入額
※回答者:住宅ローン返済中かつ2021年以降に住宅購入、借入額「わからない、覚えていない」回答除く
※中央値は、該当階級内で回答が均等に分布していると仮定して推計
※中央値は四捨五入
【図表2】エリア別 頭金比率
※回答者:住宅ローン返済中かつ2021年以降に住宅購入、頭金「わからない、忘れた」回答除く


