「年収の何倍か」で見ると、土地付注文住宅は横並び
さらに重要なのが、年収とのバランスです。世帯年収の水準は首都圏が最も高くなっていますが、住宅価格を世帯年収で割った「年収倍率」で土地付注文住宅の水準を見ると、いずれの地域もおおむね7倍程度で横並びとなっています(図表3)。
つまり、住宅価格そのものには地域差があるものの、「収入に対してどの程度の価格の住宅を購入しているか」という観点では、大きな違いがないということになります。首都圏では高価格帯の住宅が多い一方で、それを支える収入水準も相対的に高く、結果としてバランスが取れている構図が見えてきます。
逆に言えば、「首都圏だから特別に無理をしている」というわけではなく、それぞれの地域において、無理のない範囲で住宅購入が行われている可能性が高いと考えられます。
【図表3】エリア別 住宅価格(平均)と年収倍率
土地付き注文住宅・建売住宅・マンション平均価格:住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用調査」をもとに作成。土地付き注文住宅の購入費用は、建設費と土地取得費を合わせた金額。
※エリア表記は「住宅金融支援機構」調査データに準ずる。首都圏=東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県、近畿圏=大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県、東海圏=愛知県・岐阜県・静岡県・三重県、その他地域=首都圏・近畿圏・東海圏以外の地域
月々の返済はどのくらい?
では、実際の返済負担はどうでしょうか。住宅ローンの返済負担割合を見ると、世帯年収に対して3割以下に収まっている世帯が大半を占めています(図表4)。借入額が増加しているにもかかわらず、月々の返済額自体は一定の範囲に抑えられていることが分かります。
これは、前回見たような借入期間の長期化や、ペアローンの活用といった工夫による影響と考えられます。単純に借入額だけを見ると負担が増しているように見えますが、実際には家計全体として調整が行われているということです。
ただし、注意すべき点もあります。返済比率が4割以上となっている世帯も、首都圏や近畿圏では1割以上存在しています。全体としては無理のない水準に収まっているものの、一部の層では相対的に負担が重くなっている状況も見られます。
【図表4】エリア別 返済負担割合
※回答者:住宅ローン返済中かつ2021年以降に住宅購入、返済比率「わからない」回答除く


