トレンド系・オシレーター系のテクニカル指標とは

テクニカル分析では、「テクニカル指標」と呼ばれるツールが広く使われている。テクニカル指標とは、過去の株価の値動きを統計的に処理し、将来の値動きを予想するために使われる指標だ。大きく「トレンド系指標」と「オシレーター系指標」の2つに分類される。

トレンド系指標は、相場全体の方向性(トレンド)を判断するための指標だ。代表的なものとして、移動平均線・一目均衡表がある。これらの指標を利用してトレンドを確認した上で、高値や安値の更新のタイミングに合わせてトレンドの方向に売買する「順張り」の手法と組み合わせて使われることが多い。

オシレーター系指標は、相場が買われ過ぎや売られ過ぎかどうかといったトレンドの過熱感を判断するための指標だ。代表的なものとしてRSI・ストキャスティクス・サイコロジカルラインがある。こちらはトレンドとは逆方向に売買する「逆張り」の手法と組み合わせて使われることが多い。なお、MACDなどトレンド系とオシレーター系の両方の性質を持つ指標もある。

オシレーター系指標を使った逆張りは、トレンドと逆方向にエントリーするため、読みが外れた場合に損失額が大きくなる傾向がある。そのため初心者のうちはまず、トレンドの方向に乗るトレンド系指標の使い方に慣れることが推奨される傾向にある。トレンド系指標で基礎を固めた上でオシレーター系指標に進むことで、テクニカル分析のスキルを段階的に高めることができるだろう。

初心者が押さえておきたい代表的なチャートの見方

テクニカル指標の中でも、初心者がまず理解しておくと役立つポイントをいくつか紹介する。

移動平均線のゴールデンクロス

Finasee編集部作成

移動平均線とは、一定期間の株価の平均値を折れ線グラフで表したものだ。短期の移動平均線(たとえば25日)が長期の移動平均線(たとえば75日)を下から上に突き抜ける状態を「ゴールデンクロス」と呼ぶ。ゴールデンクロスは相場が上昇トレンドに入ることを示唆する代表的なサインとされている。

逆に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜ける状態は「デッドクロス」と呼ばれ、下落トレンド入りを示唆するサインとなる。移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスは、多くの投資家が参考にするシンプルかつ広く知られた指標だ。

Finasee編集部作成

なおゴールデンクロスやデッドクロスは絶対的なものではなく、過信は禁物だ。特に短期の移動平均線では相場のわずかな変動で頻繁にシグナルが変わる「ダマシ」が多いことも覚えておくとよいだろう。

一目均衡表の「雲抜け」

一目均衡表とは、「相場は買い方と売り方の均衡が崩れた方向に動く」という考え方に基づいて作られた、相場の均衡状態を見分けるためのテクニカル指標だ。この指標の特徴的な要素のひとつが「雲(くも)」と呼ばれる帯状の領域である。

株価が雲を上抜けると上昇トレンドの発生を示唆し、雲を下抜けると下落トレンドの発生を示唆するとされる。また、株価が雲の上にある間は上昇トレンド継続、雲の下にある間は下落トレンド継続と判断されることが多い。さらに雲そのものが、株価の下落を支える「支持帯」や上値を抑える「抵抗帯」として機能するケースもある。

RSIの30%割れと70%超え

RSI(Relative Strength Index:相対力指数)は、オシレーター系の代表的な指標だ。0〜100%のパーセンテージで表示され、RSIが30%を下回ると「売られ過ぎ」の状態を、70%を超えると「買われ過ぎ」の状態を示唆するとされる。

売られ過ぎや買われ過ぎの水準に達した後に価格の反転を確認し、トレンドとは逆の方向に逆張りエントリーを行うという使い方が一般的だ。ただし注意点として、買われ過ぎ・売られ過ぎの状態が長期間続くこともある。そのため、エントリーと同時に損切り注文を入れることが不可欠とされている。

(Finasee編集部作成)

まとめ:株チャートの基本を理解して投資に活かす

本記事では、株チャートの基本から、テクニカル分析の概要、トレンドの見極め方、代表的な指標の使い方まで解説した。最後に要点を整理する。

・株チャートとは株価の値動きをグラフ化したもので、ローソク足を中心に価格の動きが視覚的に把握できる。

・テクニカル分析は過去の値動きのパターンから相場を分析・予想する手法で、エントリーや決済のタイミングを判断する際に役立つ。
・ただし、テクニカル分析には「都合の良い解釈をしてしまうリスク」や「過去に有効だった手法が将来も機能するとは限らない」というデメリットもある。

・相場のトレンドは「高値と安値の更新方向」で判断でき、上昇・下落・もみあいの3種類がある。

・テクニカル指標には「トレンド系」と「オシレーター系」があり、初心者はまずトレンド系から使い方を習得することが有効とされている。
・代表的なポイントとして、移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロス、一目均衡表の雲抜け、RSIの30%割れ・70%超えがある。

チャートの見方には正解がひとつあるわけではなく、複数の指標を組み合わせながら精度を高めていくものだ。また、証券会社ごとにチャートツールの機能や使い勝手には違いがある。口座開設や管理はネット証券を中心に無料であることが多いため、実際にツールを試しながら、自分に合った環境を探していくことも有効な方法のひとつだろう。