資産運用の普及に伴い、全世界株式(オールカントリー)をベンチマークとする投資信託が人気を集めています。その指標となる株価指数に採用されている個別株式に注目すれば、世界基準の厳しい選別を勝ち抜いた優良銘柄を効率よく見極めることが期待できます。本連載ではそんな株価指数の代表格であるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)の組入銘柄である日本株に着目。中でも特定の領域で卓越したシェアを誇るグローバルニッチトップ企業にフォーカスします。第1回目は、産業用機械メーカーのナブテスコ。産業用ロボット向け精密減速機で世界をリードし、空・陸のインフラを支える同社に迫ります。

フィジカルAIを動かす! 世界シェア60%の“ロボット関節”

私たちは日常の“便利”をつい当然のものとして受け取りがちですが、その技術を陰から支える黒衣(くろご)の企業が国内にたくさんあることをご存じでしょうか。

世界の産業用ロボット市場を牽引するナブテスコもその1社です。安全に扉を開閉する自動ドアから、新幹線のブレーキ、さらには航空機の飛行姿勢を制御するシステムまで、人々の生活に欠かせない動きを精密に操る「モーションコントロール技術」を強みとしています。特に、産業用ロボットの関節部分にあたる「精密減速機」では世界トップクラスのシェアを握っており、普段目にすることは少ないものの、世界の先端産業とインフラの最前線を支えている意外性あふれるグローバルニッチトップ企業です。

同社は、「精密減速機」「自動ドア・ホームドア」「航空機器」「鉄道車両用機器」「舶用機器」など多岐にわたる領域で事業を展開しています。 最大の特徴は、各分野における卓越した市場シェアです。中大型産業用ロボット関節用途の精密減速機で世界シェア約60%を誇るほか、建物用自動ドアで国内シェア約60%(世界シェア20%)、レトルト食品用充填包装機では国内シェア約85%を占有しています。

業績面では、主要事業の需要回復などにより、2025年12月期の連結売上高は3,079億円(前期比9.8%増)、営業利益は207億円(同60.3%増)と、大幅な増収増益を達成しました。

ナブテスコの主要製品とシェア

 
出所:ナブテスコWebサイトよりFinasee編集部作成