専門家が教える「親が払う」ことの意外な利点

金城さんの事務所を訪れた妻に、金城さんは学生納付特例制度について、大変分かりやすく説明してくれたそうです。

保険料の納付を猶予できる学生納付特例制度は、当人の前年の所得が128万円以下なら適用可能で、半数以上の学生がこの制度を使っているのだとか。ただし、猶予を受けたまま追納しないと将来受給する年金がその分減ってしまいます。追納する場合は10年以内という期限があり、先延ばししていると3年以上前の保険料には経過期間に応じた加算が上乗せされるので、結果的に保険料が高くついてしまうようでした。

こうしたデメリットを踏まえ、金城さんが妻に提案したのは、長男の在学中は私が長男の保険料を払ってやることでした。

「ご主人が支払えば、払った保険料は全額、ご主人の所得から控除できます。ご主人の所得だと、節税効果は年間約7万円になります。保険料は1年分でも贈与税の基礎控除110万円の範囲内に収まりますから、贈与税が発生することはありません」

妻からこの話を聞かされた私も「なるほど」と思いました。

金城さんはさらに、保険料をまとめて払えば割引が受けられ2年分を前納すれば約1カ月分が安くなること、口座振替にすれば通常の納付書やクレジットカード払いよりももっと保険料が割安になり、その際は年金事務所などに申出書を提出して控除を受ける親の口座から引き落とす必要があることまで教えてくれたのです。

「確定申告で忙しい時期なのに丁寧に対応してくれて、本当にいい人!」と妻はすっかり金城さんのファンになった模様です。

しかし、私が後々感心したのは、その時に金城さんがしてきた“もう1つの提案”の方でした。

●金城さんはその後、10年後を見据えた“想定外”の提案をしてくれました。その内容とは? 後編【「相続なんて先の話」と思っていたが…自営業・60代父が20歳の息子へ“家賃収入”の贈与を決めた深いワケ】で詳説します。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。