「年収1000万円以下の男なんて、私と会話する資格すらないと思っていました」

それが私の口癖だった。32歳、都内の大手広告代理店勤務。自分の稼ぎも800万円を超え、周囲には外資系金融や商社マンが溢れていた。

「年収1500万円以上」「慶應・早稲田卒」「身長175センチ以上」――私の婚活の条件は極めてシンプルだった。

「理想のトロフィー」を手に入れた日

半年前に出会った亮平は、まさに私の理想を具現化した存在だった。35歳、外資系コンサル勤務。シュッとした鼻筋に、仕立ての良いスーツ。デートは常に西麻布や銀座の隠れ家レストラン。1回のディナーに5万円をさらりと支払う彼に、私は「ようやく自分に相応しい港区の席を見つけた」と確信した。

交際3カ月でプロポーズ。薬指には、150gを超える輝きを放つハリー・ウィンストンの指輪が贈られた。SNSにアップした入籍報告には、かつてないほどの「いいね」と、友人たちの嫉妬混じりの祝福が並んだ。