投資による利益を大きくするために重視していることの優先順位
投資の経験がなく、投資に関する知識不足を感じている人にとって、数多くある商品の中から「自分にあった、やりたい投資」ができる商品を選ぶことは「投資家への壁」を高くする原因の1つと考えられる。今まで投資をしたことがない人が「自分にあった、やりたい投資」を具体的にイメージするのは難しく、結果、「自分にあった、やりたい投資」ではなく「投資対象の収益性を重視した投資」を無意識に選択しているのではないだろうか。「投資対象の収益性」を重視すると、リスクの高さや金融リテラシーの不足が懸念材料となり、「投資家への壁」の高さにつながるかもしれない。
投資による利益を大きくするためには「投資対象の収益性」だけではなく、「投資金額」や「投資期間」といった要素もある。そこで本アンケート調査では、『投資初心者』に対して「投資による利益を大きくするために重視していること」について、「投資金額(投資金額を大きくする)」「投資対象の収益性(高い収益性が期待できるものに投資する)」「投資期間(10年以上などの長期投資をする)」「特にない」の中から上位3つの優先順位を聞いたところ、全部で16パターンの回答が得られた。以下は、そのランキングである。
1位、2位あわせて約3割の人が「投資対象の収益性」を最も重視すると回答している。やはり投資による利益を大きくするとなると、収益性の高さに目が向くようだ。一方、3位、4位あわせて約25%の人は「投資対象の収益性」を2番目に重視することと回答している。「投資対象の収益性」以上に、「投資期間」や「投資金額」を重視する『投資初心者』が少なくないことも分かった。
投資による利益を大きくするために重視していること(全体)
次に、ここでもパーソナリティとの関係を見ておこう。パーソナリティ別の回答パターンのランキングでは、誠実性・協調性・神経症傾向が高い人が最も重視することの1位は「投資対象の収益性」という結果となった。一方、開放性・外向性が高い人が最も重視することの1位は「投資金額」という結果となった。
投資による利益を大きくするために重視していること(パーソナリティ別)
さらに、「投資家への壁」を感じやすいとみられる神経症傾向が高い人にも着目したい。BigFiveの5因子はそれぞれが独立しており、対になる概念はない。しかし、神経症傾向はネガティブな情動に対する反応性、外向性はポジティブな情動に対する反応性ともいわれ、この2つの因子は情動の方向性が逆といえる。そのため、神経症傾向と外向性の2因子に着目し、神経症傾向が高い人で、外向性が高い場合と低い場合を比較した。
神経症傾向が高く、かつ、外向性が高い人が最も重視することの1位は「投資金額」という結果となった。
神経症傾向が高く、かつ、外向性が低い人が最も重視することの1位は「投資対象の収益性」だった。一方、最も重視することの2位・3位は「投資期間」という結果となった。
「投資対象の収益性」と比較して「投資金額」と「投資期間」は、自分でコントロールしやすい要素である。心理的ストレスを受けやすい人は、自分でコントロールできる範囲に注意を向けたほうがストレスを軽減して投資と向き合うことができるだろう。また「投資対象の収益性」について、リスク・リターンのバランスや市況等を鑑みて自分にとっての最適解を見つけ出すことは容易ではないが、「投資金額」と「投資期間」は自分の持てる範囲内で決めるよりほかなく、解を出しやすい要素といえる。
以上の結果より、神経症傾向が高く、心理的ストレスを受けやすい人は、外向性が高いならば「投資金額」を優先順位の上位、外向性が低いならば「投資期間」を優先順位の上位とすることを意識することで、「投資家への壁」を低くすることができるのではないだろうか。
投資による利益を大きくするために重視していること(神経症傾向が高い)



