お賽銭はあるのに交通費は持参せず…
私と奈々子はSuicaで、若葉はモバイルSuicaで入場していました。
私と奈々子は問題なく現金精算をしてもらったのですが、現金しか使えないと聞いた若葉は車掌さんに対してねちねちと文句を言い始めました。
「令和の時代にキャッシュレス対応していないなんておかしくない?」
どうやら、若葉は旅行先にも現金を持参していなかったようです。私からすれば、いい年をして、たかだか交通費程度の現金を用意していない若葉の方が非常識だと思うのですが、若葉の価値観は違うらしく、車掌さんに対して次々と毒のある言葉を投げかけています。
平日の昼間でも車内は混んでいて、周囲の乗客たちが若葉と車掌さんのやり取りに注目しているのが分かり、「とりあえず、ここは私が立て替えておくから」と言って無理やり精算してもらいました。若葉はプライドを傷つけられたようで、それから伊勢市に着くまでずっと黙り込んだままでした。
若葉は3人でのランチの時など事あるごとにキャッシュレス決済の利便性と合理性を滔々と語り、未だに現金精算メインの奈々子と私は時代遅れと言わんばかりだったので、私たち2人にとってはちょっぴり溜飲を下げた出来事でした。とはいえ、奈々子が若葉に対して嫌味を言うのではないかと警戒していたら、何事もなかったかのようにスルー。奈々子も大人になったのだなと思いました。
到着後は駅の手荷物預かりにキャリーケースを預け、「外宮(げくう)先拝」のセオリーにならって外宮にお参りに行きました。その際に驚いたのが、若葉がお賽銭用の5円玉はしっかり専用の小銭入れ(お賽銭ケースというものがあるようです)に入れて持参していたことです。しかも、縁起をかついで全部が令和5年のピカピカの5円玉です。口にこそしませんが、心の中で「こんなのを準備する余裕があるなら現金持ってきてよ」と毒づきました。
