投資信託の良しあしを見定めるのは難しい。相場つきが悪くて短期的には成績が振るわなくても、長期で見れば優れた運用を行っている投信は存在する。逆に、ボラティリティの波に乗って一時的に好成績を収めたものの、トレンド転換と共に一気に沈んでいく投信も少なくない。本シリーズ「探せ! あなたの“推し”投信」では、長期投信投資家に人気の投資信託の強さの秘訣を探る。

今回取り上げるのは、インベスコ・アセット・マネジメントが運用する「インベスコ 世界厳選株式オープン」、通称「世界のベスト」だ。特に一番人気の「為替ヘッジなし(毎月決算型)」は資金流入が続き、4月中旬現在で、純資産総額が3兆5900億円を超えている。なぜこれほどまでに売れているのか? その理由をひも解く。

設定から27年。「世界のベスト」の通称で「おなじみの存在に」

 「世界のベスト」は、1999年の設定から25年以上の運用実績を持つ、日本でも有数の長寿グローバル株式ファンドだ。 投資対象は、日本を含む世界各国(エマージング国を除く)の株式。最大の特徴は、独自の視点で徹底的な企業調査を行い、「世界のベスト」と考えられる銘柄に厳選投資する点にある。「毎月決算型」「年1回決算型」「奇数月分配型」「予想分配金提示型」に「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」がそれぞれ設定されており、全部で8コースから選べる。ただ「世界のベスト」といえば先述の通り、「為替ヘッジなし(毎月決算型)」を指すことが多い。

インベスコでは、「成長」「配当」「割安」という三つの観点から銘柄を選ぶことを「株式投資の王道」と位置づけている。短期的な流行に飛びつくのではなく、高い競争優位性を持ち、健全な財務体質を有し、景気動向に左右されずに利益と配当を生み出せる企業を泥臭く探し出してポートフォリオを構築しているのが本ファンドの基本姿勢である。

長期にわたるパフォーマンスと安定した分配実績が人気

このファンドが圧倒的な支持を得ている理由は、その「確かな運用実績」と「目に見える還元(配当)」にあると言っていい。長所は大きく三つ挙げられる。

第一に、長期間にわたる高いパフォーマンスだ。設定来(1999年〜)のリターン(分配金込み/再投資)は為替ヘッジなし・毎月決算型で+400%を超え、幾度もの金融危機や暴落相場を乗り越えてきた。ファンドを運用しているのは、英国・ヘンリーに拠点を置くグローバル株式チームだ。緻密な調査・分析でエマージング国をのぞく世界中から「ベスト」とされる銘柄を選んでいる。全員がアナリストであり、運用者でもあるという特徴もある。

第二に、「配当」に着目したポートフォリオの防御力である。単に株価の値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うだけでなく、配当(インカムゲイン)をしっかり出せる企業を組み入れている。これにより、相場の下落局面でも配当収入がクッションとなり、ファンド全体の下値抵抗力が高まるという強みがある。

第三に、投資家の心をくすぐる「高水準の分配金」だ。特に人気の「毎月決算型」は、直近で毎月150円(1万口当たり)という高い分配金を出し続けている。相場の良しあしに関わらず、毎月安定したキャッシュフローが手元に入ってくるという実感は、インデックスファンドの含み益だけでは得られない精神的な安心感をもたらしている。これが「売れ続けている」最大の理由だ。