投資信託の良しあしを見定めるのは難しい。相場つきが悪くて短期的には成績が振るわなくても、長期で見れば優れた運用を行っている投信は存在する。逆に、ボラティリティの波に乗って一時的に好成績を収めたものの、トレンド転換と共に一気に沈んでいく投信も少なくない。本シリーズ「探せ! あなたの“推し”投信」では、長期投信投資家に人気の投資信託の強さの秘訣を探る。
今回取り上げるのは、ピクテ・ジャパンが運用する「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」だ。2019年の設定からわずか6年半で純資産総額が約1兆2000 億円にまで膨らみ、近年の金(ゴールド)投資ブームを追い風に急成長を遂げているファンドである。株でも債券でもなく「金」という実物資産に投資するとはどういうことか。その実力と注意点を、ひもといていきたい。
スイス籍ファンドを通じて金の現物に投資
「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は、2019年9月に設定された投資信託だ。スイス籍の外国投資信託「フィジカル・ゴールド・ファンド」を通じて、金の現物(ゴールドバー)に実質的に投資するファンド・オブ・ファンズ方式を採っている。
最大の特徴は「純粋に金価格の動きを取りにいく」という一点に絞った設計だ。株式のように企業業績を分析したり、債券のように発行体の信用を読んだりする必要はない。金は誰かの債務でも信用でもなく、それ自体が普遍的な価値を持つ資産である。決算は年1回(毎年7月15日)で、設定来の分配金実績はゼロ。外貨建て資産に対する為替ヘッジは原則行わないため、金価格だけでなく円相場の動きも基準価額に直接影響してくる点は押さえておきたい。
金ファンドで最も支持を集めた理由は?
支持を集める理由は3点に集約される。第一に、「ピクテ・ゴールド」は実質的に金の現物に投資する仕組みの金投資ファンドであり、その金はスイスのジュネーブにある金庫に厳重に保管されていることだ。こういった現物の裏付けが、根強い人気につながった。
第二に、設定来の運用実績だ。基準価額は設定時の4倍以上(4万4249円)まで上昇し、第6期(2024年7月〜2025年7月)の収益率は約28%に達した。過去6期を通じて大幅なマイナスの期は一度もない(ただし将来の運用成果を保証するものではない)。
第三に、コストのわかりやすさだ。信託報酬の実質負担(投資先ファンドを含む)は年率約0.8%程度で、解約手数料や信託財産留保額もなく換金しやすい設計になっている。
