資産形成・資産運用にまつわる実践的かつ効果的な情報提供を行うMUFG資産形成研究所。同研究所のウェブサイトに掲載された論文・レポートを再編集してお届けする(掲載元の執筆日:3月26日)。
1.はじめに
日本の家計金融資産は、2025年9月末時点で2,286兆円に達している。内訳を見ると、現預金が49.1%、保険が18.2%を占める一方で、投資信託は6.7%、株式等は13.9%にとどまる。「貯蓄から投資へ」というスローガンの浸透により改善の兆しは見られるものの、投資信託と株式等を合計しても約2割に過ぎない。(出典:日本銀行「資金循環統計」)
こうした状況を踏まえ、本稿では、家計が長期的な資産形成に取り組むうえで、どのような行動や判断が合理的といえるのかを検証し、実務に役立つ示唆を提示することを目的とする。
紙面の都合上、前編では主に以下の論点を扱う。
●インフレが購買力にもたらす影響
●個人投資家が持ちうるアドバンテージ
●長期投資における分散投資の考え方
●インデックスファンドの積立投資
後編では、より実務的な意思決定に直結するテーマとして、次の点を取り上げる。
●個人にとってのタイミング投資(暴落待ち・損切り・利益確定)の是非
●投資における現金比率の考え方
●住宅ローンとの向き合い方
いずれも一般的なテーマであるが、長期データに基づくシミュレーションを交えながら、長期の資産形成にとって何が重要かを考察していく。
