存在感増す海外投資家
――海外投資家のニーズについて、どう捉えていますか。
統計を見ると、海外の買いが大きく出ている月もあります。超長期の割安感や、為替ヘッジを絡めた取引で魅力が高いと判断し、購入されているようだという話も聞いています。ただし、資金循環統計を見ると、残高ベースでは海外投資家の保有は1割程度とそこまで増えておらず、欧米等と比べてまだプレゼンスは大きくありません。一方、売買シェアで見ると海外投資家の割合は現物で約5割、先物で7割超となっています。短期で売買を繰り返す、アクティブな投資家が増えているのだと捉えています。セカンダリーマーケットや先物、スワップなどのデリバティブでは特に存在感が高まっています。
ヘッジファンドの保有も増えていますが、海外投資家の内訳については統計で細かい実態が捉えきれないのが難しいところです。海外IRなどの場において、金利がついてきたことで日本国債をポートフォリオに組み込む海外のファンドが増えているとの話も伺っており、今後いっそう活発になる可能性はあります。
多様なニーズを持つ投資家が国債取引に参加すると、例えば価格が安くなった際に市場に入っていただけることで、市場が一方向に流れず、需給のバランスが安定化する効果もあると考えられます。そのため、アジア、中東、北米、欧州など幅広く、日本国債に関心を持ってくれている海外の投資家に対して投資商品としての魅力を説明しています。
――海外投資家とのコミュニケーションの中でどのような声が寄せられますか。
日本の政治や経済の状況、経済政策、日銀の対応なども含め、海外投資家は非常に詳しく日本のマーケットを見ていると感じており、厳しい声も含めて、幅広い視点での質問をいただきます。例えば、日銀の金融政策と政府の積極財政が相まってよりインフレが進むのではないかという懸念について質問されることもあります。IRの際には、政府と日銀が連携しつつそれぞれの政策を進めていることや、「責任ある積極財政」ではマーケットの信認をしっかり得ることを心がけていること、債務残高GDP比を着実に引下げていくことなどを説明しています。
