食肉サプライチェーンを掌握する「スターゼン」
次にご紹介するのは、私たちの食卓に欠かせない食肉の卸売で国内トップクラスのシェアを誇るスターゼンです。
牛肉で8.9%、豚肉で10.2%という強固なシェアを持ちながら、株価指標はPER 9.4倍、利回り3%超と、非常に割安な水準に放置されています。
株価は2022年以降、緩やかな右肩上がりを続けており、中長期での評価が高まっています。
スターゼンの戦略で特筆すべきは、利益率の高い「加工食品」への注力です。
食肉卸は相場変動の影響を受けやすいですが、ハンバーグなどの加工品は付加価値が高く、収益を安定させる役割を果たします。
また、世界25カ国から仕入れるハイブリッドな調達基盤を持っており、円安や海外相場の変動リスクをうまく分散させています。
さらに、2030年に向けて海外輸出比率を現在の3%から15%まで引き上げるという計画もあり、和牛ブームを追い風にした成長も期待されます。
販売先がスーパーから外食、食品加工まで多岐にわたるため、コロナ禍のように特定の需要が消えても他でカバーできるという「安定した売上の仕組み」も大きな強みです。
郊外型ドラッグストアの進化形「クリエイトSDホールディングス」
最後は、関東圏の郊外を中心に展開するドラッグストア、クリエイトSDホールディングスです。
ドラッグストア業界は飽和状態にあると言われることもありますが、実際にはコンビニや食品スーパー、町の薬局などの市場を吸収しながら拡大を続けている成長業態です。
同社の業績も売上・利益ともにCAGR約8%弱と非常に健調で、自己資本比率60%という極めて強固な財務体質を誇ります。
クリエイトSDの最大の特徴は、食料品の売上比率が43%と非常に高い点にあります。
これは業界大手のウエルシアやマツキヨココカラなどと比較しても突出しており、事実上のスーパーマーケットとしての機能を併せ持っています。
同社は固定のフォーマットにこだわらず、医療モール型や小型スーパーのM&Aによる生鮮複合型など、地域に合わせた店舗形態を模索することを得意としています。
スーパーとして顧客を呼び込み、利益率の高い医薬品や化粧品を併せて買ってもらうというビジネスモデルは、今後も郊外において高い競争力を維持し、安定成長を続ける可能性が高いでしょう。
有事に惑わされない
有事が発生し、市場が大きく揺れ動く時こそ、投資家の真価が問われます。
ハイテク株などの値動きの激しい銘柄を持ち続けることに不安を感じるならば、今回ご紹介したような「生活に密着し、かつ着実に利益を伸ばしている割安成長株」をポートフォリオの安定剤として検討する価値があります。
大切なのは、特定のニュースに一喜一憂するのではなく、スクリーニングツールを活用して「企業の適正な価値」を自分の目で見極めることです。
全く違うセクターに視点を向けるだけで、これまで見えていなかったチャンスが広がっていることに気づくはずです。


