ライフキャリアの観点から考えるFWB研修のポイント

そもそもウェルビーイングとは「持続的に良好な状態」、言い換えれば「心身の潜在能力を発揮し、意義を感じ、周囲とのつながりを保ちながらいきいきと活動している状態」を意味します。

さらにFWBは「経済的安全性、自身の経済的状況を把握・管理し、状況の変化にも対応できる状態」を指しますが、概して経済面だけが取り上げられがちな傾向にあります。しかし実際には身体的、精神的、社会的な側面と密接に関連しています。

従業員の共感を高めるには、金融リテラシー教育にとどまらずFWBを中心とした全体的なウェルビーイング向上を目指す研修設計が効果的です。

FWBは人生100年時代における自律的な人生設計を進める上で極めて重要な観点です。リスクをあおるのではなく、「何のために貯蓄・投資をするのか」という目的意識を醸成することが当事者意識につながります。FWB研修はウェルビーイング全体にポジティブな影響を与えるものであることが望ましいでしょう。

「ライフキャリアビジョン」を描くことで、自分ごととして捉える

具体的な研修手法として「ライフキャリアビジョン」を設計するワークがあります。過去を振り返り、キャリアゴールを確認した上で人生や仕事における理想の姿(ライフキャリアビジョン)を実現するために必要なスキルや費用、貯蓄目標などを具体化するものです。

セミナー研修などの機会にセルフコーチング形式でシートに書き込んでもらうと効果的です。具体的に書けなくてもよいのです。書けないという事実も重要な気づきとなるからです。

このワークを組み込んだオンラインセミナーを2回に分けて実施した事例では、初回にFWBへの興味を喚起する内容を取り扱ったところ想定を上回る参加がありました。特筆すべきは初回参加者のほとんどが金融リテラシー向上を主眼とする2回目のセッションにも参加した点です。これまで関心の低かった女性従業員からも肯定的なフィードバックが得られるなど、アプローチの有効性が示されました。