米国の労働市場に改善の兆し、ドル高を後押し
米国の労働市場の改善期待も今週のドル高の一因です。今週に入って発表された雇用関連の経済指標は総じて前回の実績や予想上回りました(スライド5の赤字部分)。
また24種類の労働市場に関連する経済指標から労働市場の状態を表す労働市場情勢指数(LMCI)もこの傾向を裏付けています。青い「レベル」は過去平均と比べた現在の労働市場を示しています。プラス圏に位置していることから過去平均よりも労働市場がまだ良好な水準にあることを示しており、11月以降、上向きつつあります。赤い「モメンタム」はマイナス圏に位置しており、労働市場の勢いがなくなりつつある状況を示していますが、そのマイナス幅がゼロに近づいてきました。全体としては労働市場の悪化に歯止めがかかりつつある状況と言えます。尚、このLMCIは雇用統計が発表された翌週火曜日にアップデートされるため、カンザスシティ地区連銀のHP上で2月分を確認することになります(スライド6)。
ドル円は底堅い推移も、ユーロ軟調が示唆する地政学リスク
三角持ち合いを上抜けしたドル円は、有事のドル買いを支えに今週も底堅く推移しました。ただ、158円は抜けきれず、現時点での高値は157円97銭です(スライド7)。
※その後、158円10銭まで上昇
今週の主要通貨の対ドル変化率を見ると、ドルが全面高だったことがわかります。一方、円は中盤やや上に位置しており、円安一辺倒でもありませんでした。特に目立ったのは、軟調に推移したユーロなどの欧州通貨です。
中でもユーロ圏では発表された2月分の消費者物価指数が予想を上回ったことから、先週末時点ではECBの次のアクションとして若干の利下げが織り込まれていたものの、現時点では利上げ予想に転じています。本来であればユーロ高が進んでも不思議ではありませんが、それを有事のドル買いが勝ったと考えられます。
また、欧州は中東とも地理的に近い上、輸入が多い天然ガス市況の高騰も踏まえ、地政学リスクによる欧州経済への波及が警戒されている可能性もあります(スライド8)。
