投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、マネックス証券のデータをもとに解説。

マネックス証券の投信売れ筋ランキングの2026年2月のトップ2は前月と変わらなかった。トップに「楽天日本株4.3倍ブル」、第2位が「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)だった。前月第4位だった「SBI 日本株4.3ブル」が第3位に上がり、第3位だった「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は第4位に後退した。また、前月第8位だった「WCM世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」が第6位に上がり、トップ10圏外から「楽天・日本株3.8倍ベアⅢ」が第7位に、「iFree日経225インデックス」が第8位にランクインした。一方、前月第9位だった「Tracers S&P500ゴールドプラス」と第10位だった「Tracers NASDAQ100ゴールドプラス」はトップ10から落ちた。

※マネックス証券サイト内「ランキング一覧」の「月間売れ筋」に基づき編集部作成。期間は2026年2月1日~2月28日。
https://fund.monex.co.jp/rankinglist#MonthlySales

「ブル型」「ベア型」にも逆張りの心理、投資家は市場波乱を警戒!?

マネックス証券の売れ筋ランキングで楽天投信投資顧問が設定する「楽天日本株4.3倍ブル」が2025年9月から6カ月連続でトップを維持している。株価指数先物取引を活用し、日々の基準価額の値動きが、わが国の株式市場全体の日々の値動き(日々の騰落率)のおおむね4.3倍程度となることを目指して運用するファンドだ。2026年2月末時点で過去6カ月間のリターンは245.33%、過去1年間で398.67%になっている。だだ、2月27日に基準価額が9万2897円の高値を付けたのち、3月4日には6万2889円までわずか3営業日で32.30%の下落になった。

一方、2月にトップ10にランクインした「楽天・日本株3.8倍ベアⅢ」(設定は楽天投信投資顧問)は、「楽天日本株4.3倍ブル」とは真逆の動きをするファンドで、国内株式市場全体の日々の値動きに対し、おおむね3.8倍程度に逆の動きをするファンドになっている。国内の株式市場が1日で1%上昇した場合、同ファンドの基準価額はマイナス3.8%で下落する。2月末時点で過去6カ月のリターンはマイナス77.62%、過去1年ではマイナス90.95%になっている。同ファンドの基準価額は2026年1月30日時点で1087円だったが、2月27日には704円と1カ月間でマイナス35.23%の下落だった。ところが、3月に入ってからの株安で2月27日をボトムとして3月4日には952円にまで反発した。

「楽天日本株4.3倍ブル」は2025年4月を底に2026年2月まで、2025年11月の一時的な調整はあったものの11カ月間にわたって上昇を続けてきた。特に、2026年2月の上昇は1カ月間に基準価額が49.64%も上昇する急騰局面だった。上昇相場の中の短期急騰局面をとらえて、いわゆる天井形成を感じ取った投資家が価格下落を期待して「楽天・日本株3.8倍ベアⅢ」への投資を決断したのだろう。ただ、結果的に2月は月末まで上昇相場が続いたため、2月の月中でベア型に投資した投資家は2月末時点で全て含み損を抱えている状態だった。イラン空爆による3月の株価下落によってどの水準まで株価が下落するのかはわからないが、市場の成り行きを読んでブル型だけでなく、ベア型も組み合わせて投資する投資家が存在するのは、マネックス証券の利用者が株式市場の動きに機敏に対応していることを感じさせる。