対応策② 掛金支払いを一時停止し、積立金の運用のみ継続
①の減額でも積み立てを続けるのが難しい場合もあるだろう。そこで毎月の掛金支払いを一時的に停止する方法もある。新たな積み立てをやめて、今まで積み立てた分の運用だけを継続するというわけだ。
掛金の支払いを停止する場合はiDeCo口座を開設している金融機関に「加入者資格喪失届」を提出する。書類は金融機関から取り寄せることもできるし、iDeCo公式サイトからダウンロードすることも可能。なお積み立てを再開する場合は、再度iDeCoに加入する手続きが必要だ。
掛金支払いを一時停止する際の注意点
掛金の支払いを停止する際に注意しておきたい点がある。1つは掛金の拠出を停止している間は所得控除ができないことと、もう1つは手数料がかかり続けることだ。
この2点についてもう少し詳しく見ていこう。
【所得控除の適用がなくなる】
掛金額が大きいほど節税効果が高くなるのがiDeCoのメリット。なぜならiDeCoの掛金の全額が所得控除の対象になるからだ。ということは逆に掛金を減らしたり一時停止したりすれば、所得控除の対象になる金額が減るため、結果的に節税効果も小さくなる。
また、掛金拠出を一時停止している間は退職所得控除を計算する際の勤続年数がカウントされない。特に退職所得控除は20年を超えると加算幅が拡大する。勤続年数が少なければ、iDeCoで一時金として給付を受け取る場合に十分な所得控除が受けられず、節税効果が小さくなってしまう恐れがある。
【運用中の手数料は毎月発生する】
また一時停止している間も手数料はかかる。掛金の拠出はなくとも今まで積み立てた分の運用は続くため、口座の維持管理のための手数料が発生してしまうからだ。
毎月の口座管理手数料のうち、国民年金基金連合会に支払う手数料(月105円)はなくなる。しかし資産の管理は必要であるため、信託銀行など事務委託先金融機関に支払う月66円、口座を開設している金融機関によっては運営管理手数料としてさらに数百円ほど上乗せした金額が必要になる。
このように一時停止だと「節税効果がなくなる」「手数料が発生し続ける」、加えて「再開するにはもう一度加入申込み手続きが必要」など、デメリットが多い。可能であれば減額にとどめるほうが賢明かもしれない。
あくまでも一時停止は、どうしても積み立てが続けられない場合の最終手段と考えておけばいいだろう。
●iDeCoでの運用が一時的に難しくなった際の対策を解説した。では、iDeCo加入者が死亡した場合などはどうなるのだろうか?後編『iDeCoを途中解約できるケースがある!? 例外パターンにあたるケースは?』にて詳説する。
