還元方針に変化の兆し 資本コスト経営は進展するか

先述の中期経営計画ですが、実は変化が見られます。当初は盛り込まなかった資本政策への言及が増えており、株価上昇に向けた方針の転換が期待されます。

1つ目の変化が株主還元です。当初は最終年度である30年3月期で配当性向30%を目指すとの説明でした。しかし、25年9月にこれを転換し、30年3月期に予想配当金を年間60円以上と絶対額での目標に踏み込んでいます。同時に今期(26年3月期)の予想配当金を30円から40円へ引き上げました。

2つ目の変化はPBR目標です。当初の計画はPBRにまったく言及していなかったところ、26年2月に「PBR1倍を念頭に置いた経営」を掲げました。同時に、資本効率の改善に向け「具体的施策を検討」しているとも説明しています。

これらの変化は資本コストを意識したものと考えられます。財務状況から株主還元の選択肢は多くないようにも見えますが、ROIC(投下資本利益率)といった利益目標の導入で事業ポートフォリオを変化させる展開はあるかもしれません。

経営方針の変化は株価にプラスに働きやすいでしょう。今後は業績だけでなく、資本政策の発表が注目されそうです。